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【GENERATIONS】WONDER SQUAREに見事情緒を持っていかれました

忘れじの行く末までは難ければ今日を限りの命ともがな(54番 儀同三司母)
(誤訳: 今日のこと忘れちゃうくらいだったら今日死んでもいいっす)


はい。

基本的には人生エンジョイ勢なんであんまり死にたいと思って生きてないんですが、今日を限りとして死んでもいいなあと思うほど嬉しい瞬間=人生のハイライトになるような美しい輝き は結構これまでの人生の中で何度か経験していて、その何度かの例に今日という日が加わったなという話です。

Wonder Square 兵庫公演。6月26日、公的にはツアーファイナルというこのタイミング。

何の縁か知りませんが好きになって最初のツアーがどうやら地元でオーラスを飾るらしい。行かない手はない。というか多分行かなかったら私が耐えられない。こんなに近くでこんなに楽しいことやってるのに耐えながら仕事行くとか無理。それこそ死んだほうがまし。

奇跡的にご用意された電子チケットに声も出ないほど喜んだ日のことが昨日のように思い出されます(その節はお祝いしてくださった方々ありがとうございました)。


いや〜。

この文章書いてるのはライブが終わった直後の夜なんですが、同好の士と「どうして推しはこんなにかわいいんですか……?」というまあまあ真剣な話を詰めすぎてあわや終電を逃させかけるという大失態を犯し(間に合われた模様、安堵)、お別れした後にもすぐ帰れるくせに嫌だッ帰りたくないッと駄々を捏ねて一人で夜の三ノ宮を放浪したあとでもあります。はよかえれ。

いろんな考えを整理するのに非日常の渦中に身を置くのがいいかなと思ったけど全然そんなことなかった。ただベロベロの女が一人いるだけだった。帰ってみたらマスクの中身すごかった。もうクレンジング不要か?ってくらい化粧が溶けてた。逆に不衛生やな。

何から話せばいいんだろう。とにかくわかりやすく端的に一言で言うなら「最高でした」なんだけど、好きなものが多いせいである一定上の素晴らしいものには結構簡単に「最高」って言っちゃう割と悪い癖があるので、比喩ではなく比肩するもので話したほうがいいかな。

私は今まで行ったライブで多分一生思い出して一生ヤバかったって言い続けるなというライブがいくつかあるんですけど、それらに匹敵するやばいライブでした。

ことGENERATIONSに関しては3月にハマってからというもの永遠に期待値が上がり続けているというのに、この期待値がマックス上がってる状態でさらにその期待の上をいくってすごいな〜本当に隅から隅まで自分の嗜好と合致してるんだな〜逆になんで今まで出会わなかった? のきもち。

Twitterでチラッと言ったけど「音も声も姿も演出も映像も全てが良かった」んですよ。生音でGENERATIONSのパフォーマンスに触れるのがまず初めてだし、ボーカル二人の声量と状態もめっちゃ良くて、パフォーマー勢はもちろん全員衣装も表情管理も凄まじく良かったし、コンセプト映像、オープニング映像、幕間のドラマ、サポートダンサーの演出、アンコール前の茶番(言い方)と全てが良かった。

茶番は静止画紙芝居なのが余計に良かったと思うんだけどどう? ポロリもしないし。いやリーダーちょっと怪しかったけど。


※ここからは内容に触れるため閲覧は自己責任でよろしく













内容について。

私の大いなる勘違いの一つとして、Wonder Squareってもっとこう、コンセプトとしてはポップな感じなのかなって思ってたんですよ。ツアーロゴとかポスターとかアートワークとか見るに。もちろんポップなのも間違いではないんだけど、実態見てみるともっと品の良い、奥行きのある表現で舌を巻きました。自分はここのブログを本来は映画の感想を述べるために設立したという経緯があるくらいの映画好きで(ドイツ映画が好きです)、とりわけ黄金の20年代や冷戦時代の表象に目がないです。アールデコ最高。そういう人間が古き良きブルックリンを連想させるプロローグ映像を見たときに何を思うでしょうか? ええ、比喩なしで狂いました。しかも概ねアルバム曲順に来るもんだから、そこからMake Me Betterへと繋がっていくわけです。Make Me BetterのMVは割と完成された世界観で演出されてるんですが、よく見たらデザイン性が結構レトロだったり近未来風だったり(あくまで60年代くらいの視点から見た未来像のような……)旧共産圏でかつて提示されたような流線型のプロダクトデザインだったりするんですよね。配色もビビッドでそれらしい。今回のライブではメンバーやバックダンサーの男女が身に纏うスーツやワンピースのシックな質感がさらに前の時代、戦間期のノスタルジックな風合いともつながるようで、この曲にはこういう切り口があったのか〜と目から鱗が落ちる思いでした。そういう意味で今回のライブそのものが非常に映画的。もちろん目の前で実演されるまごうかたなきミュージックライブなんだけど、同時にそれぞれの時代を象徴する「流行」の再現、景色や文化をフレーム化して落とし込む表象が既存の楽曲にまで奥行きを与えていたのが非常に面白いなと思いました。

洗練された上質なパフォーマンスあってのリスペクト溢れる懐古。丁寧に手順を踏んだ踏襲と再現は、斬新なものを産み出そうと息巻くものよりもよっぽど新規性が高い。これこそがまさに温故知新。そしてGENERATIONSにしかできない一つの強みだと思います。

私はこの4ヶ月足らずで彼らの10年の足跡をなんとか必死に追っかけようといろんな研究活動に勤んできたわけですが、公的な記録を参照するだけでも元ネタが分かるものが一回のライブにふんだんに設定されていて、これは例えば本人たちのSNSを見ているだけ、テレビ番組を見ているだけ、楽曲を聴いているだけでは理解し得ないし、全ての活動をアーティストとしての活動に取り入れて昇華させる攻めの姿勢を垣間見れたようで素直に脱帽でした。なぜ亜嵐さんがStar Travelingで寝転んだのか、小森さんはタップダンスをどうやって覚えたか、佐野さんが踊った少年の歌詞は誰が書いたのか、ワンミリで片寄さんだけが最後にキスするのはなぜか、などなど。グループの内外で得た経験がこうしてグループでの活動、ひいては足場とする活動に還元される、「伏線回収」じゃないけどそこ繋がってるんだ〜! という気づきの連続で、歴の浅い自分でもそうなんだからもっと歴ある人はもっと色々見えたんじゃないでしょうか。

ジェネはバラエティ向いてるとか芸人枠とか体張り担当とか言われていて、それ自体は全く否定する気もないし正しいんだろうなと思うんですが、その体張りが実現できるだけのスキルや経験、当人たちの興味関心を事欠いては本質を見損なうとも思います。ただ格好良いだけでも可愛いだけでもなく、表現者としての奥行きが為せる今のパフォーマンスであって、見る側に要求される知識や発想、月並みな言い方をすれば「引き出しの多さ」が必要になってくる。もちろんそういったものがなくても存分に楽しませてくれるし、100%楽しいんだけど、散りばめられた色々な要素を回収して思考する事で見る側の楽しみは200%にも300%にもなる。見せるものだけが全てではない、ゲームで言うならばやり込み要素のような側面がいくらでもあるアーティストなんだなと現場に行って改めて実感しました。

概観的な感想はこんな感じなんですが、内容の一個一個を挙げていくと座席がバレるんですよね。自分の目の前で展開されていたことを具に語ると。ステージの使い方が結構変わってたので、この曲の時に誰が目の前にいて、みたいなので同じライブにいても感じ方が変わる。これは何回も行きたくなるだろうな。いる席によって全然違うライブになる。

自分はスタンドの一番後ろだったので全ての演出が全部めちゃくちゃ良く見えたというのはあります。モニターも見やすかった。音も一番良いのがきてた。そういう意味では自信を持って最後列まで全力で楽しめるライブでした。行き届いてますね。

もうずっと言うと思うので最初に言っておきます。Love You Moreのアレンジがまじで吐きそうなくらいヤバかったです。松尾潔がプロデュースしたんか? っていう楽曲になっていた(通じる人には通じるはず)。しかもそれを目の前で中務さんが踊ってました。あのね中務さんのLove You Moreほんとめっっっっっっっっちゃ大好きなので、ラブソングを踊る中務裕太は人間国宝ものだと信じ切っているので、あの1曲で1万1千円(チケット代)払いますというくらいヤバかった。多分映像化されたらあそこだけ三回くらい巻き戻して見ると思う。何あれ? 狂う。いやあそこで狂って前後の順番が結構あやふや。情感と熱と色気がやばかった。それこそLove You Moreを踊ってる映像ってリリースされてるものだけでも結構な数あると思うんですが、あっこれが大人の……30代目前の……はい……………となる表現で真面目に全部持っていかれた。膝から崩れ落ちそうになった。すげえ良かった。これだけはもう声を大にして言わなければならないと思った。感謝。圧倒的感謝。ボーカルもすっっっげえ良かった。よさしかない。本当に聴きたかった曲が全部聴けたくらいの勢いで大変感謝していますが、あのLove You Moreだけは真面目に殺傷力高くて個人的ベストアクトだったな……あれだけ後日切り抜き動画とか出たら一人で再生数10万は貢献する自信があります。

あと空を中務さんがソロで踊ってたんだけど、舞台の真ん中で一人踊る、ステージにもド派手な演出も何もない、体一本で踊ってる感じ、もはや舞踏家でしたね。ピナ・バウシュでも降りてきてるのかなって思った。コンテンポラリーも踊れるの? 逆に何か踊れないものあるんですか? 楽曲としては結構空白の多い曲なんですよね、音がそんなにぎっしり詰まっているというわけではないし、ピアノ一台でも形になるシンプルな曲だからこその体ひとつでの表現が強すぎました。

ブチ上がったと言えばPKCZよ、ツアーに帯同しているというだけでもまあまあエグい良さだなと思うんだけどDJ3人で音作りしてんのヤバかったしマキさんが踊り狂ってるの激アツすぎて本気で!!!もう!!!フェスに出て!!!!ってなった。SUPER SHINE一緒に踊ってくれて感謝〜!!!!圧倒的感謝!!!!!ってなったし、これはあれじゃない? Choo Choo TRAINを元ZooのHIROさんがEXILEで踊るみたいな……後継……と謎の感慨深さがありました。よかった。

Lonelyが良いことはもうわかりきってたんですが生で聴くと良さがエグい。これ映画見るときもいっつも言ってるし綾野剛さんの話を延々とブログでしてた時も何回も言ったんだけど、「喪失」の表現がうまい表現者は間違いない。ジェネは底抜けに陽キャで明るいみたいに言われてるけど、全人類Lonelyを見ろ!!!という気分。喪失の表象にはその人がそれまで得てきたものと失ってきたものが如実に反映される。間違いなくジェネの表現は自分の好きな方のやつだ、と強く実感するには十分でした。凄まじく良かった。

あとボロボロ泣いたのはやはりYou&Iでしたね。人と人の愛だなあと。ラブソングはたくさん世にあるけど、愛を均質化して一般化して、一人に歌うように全員に訴えかけよう、変わりゆく世界の中でもひとつになろうと呼びかける言葉が尚更実態を伴って聞こえたのがとても良かった。テレビ披露(録画もらった)で泣いたアクトのまんま、目の前で見ることができて感無量でした。7人のコンビネーションが最高に良くて。変わりゆく世界の最中で彼らの世界と接点をもてた幸福を思いました。良い時期に良い表現と出会えたなあ。


終演後に仲良くしていただいてる方とお話しする機会があったのですが、胸がいっぱいで話そうとしていたことが全部飛んで、でもあとから後から出てくる言葉でお互いにいっぱいいっぱいになって、結局電車逃すかもというところまで話し込んでしまったのも、見ようによっては彼らがつないでくれた縁だよなと思いまして。その方に限らずこの数ヶ月でそういう縁がたくさんあったので、何につけても感謝したい事柄しかないのよな……好きやよ……としみじみしています。GENERATIONSがGENERATIONSとして表現し続けてくれてありがたい。その世界にこうしていられることが一つの価値ある幸福であると思います。


ロスが激しかったのでまっすぐ家に帰れなくて、これほど帰りたくない、上書きしたくないと思ったことも珍しく。

ようやく帰り着いてからもずっと反芻して、今まじで真夜中で明け方が近いくらいの時間なので一旦寝て、昼ごろにこの記事をあげたいと思います。


今日という1日が終わってアルバムの印象もまた変わりそうです。一応引用しとく。



最後になりますが、7年の付き合いになる友達が私の最近の挙動に関心を持ってくれて、自分で動画見たり公式サイト見たりして調べてくれたらしく、小森隼くんが推しですと報告を受けました。SNSもフォローしてて衝撃だった。普段あんま芸能とか見ない人なのに、まっっっったく関係なかったところにいた人なのに、隼くん!!!!?とこっちもテンションが上がってしまって、追加公演当たったら一緒に行く約束をしました。すごくね?

とりあえずレギュラー番組の存在を伝えたんですが、隼推しの皆さんは隼くん好きならとりあえずコレ履修しとけっていうのがあれば教えてください。新規に共有します。

ファン5ヶ月目も気合入れていきましょう。素敵な夏になりますように。

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