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目の中のUFO

目の中に宇宙船が入った。

・・・ような体験をしました。

数日前、突然、目がチカチカした。
強い光、例えば太陽とか電球とかを見た後に、目の中に残像が残る。そんな感じ。
太陽とか見ちゃったかな?と思っていたんだけど、いつもとちょっと違う。

残像がかなりキツい。

なんか違うぞ。

と、思い始めたら、残像というか目の中の光はどんどん強くなっていった。光は楕円形の輪を作り、輪の輪郭がギザギザの三角にとんがっている。

ギザギザ三角は各々、赤、青、緑、黄、、、と、色がついている。その色が数秒単位で、キラキラと変化していく。

なんか、きれい。

こんなことを言ってはいけないんだろうけど、変化していく様が綺麗で、まるで宇宙船の窓から放つ光のようなのだ。

目の中にUFOが入り込んだみたい。

チカチカする目のまま、ネットで調べてみた。

「目の中 光 チカチカ ギザギザ」

で、検索。

出てきた。これだ。

両目の視野の一部に突然ピカピカと光るギザギザ模様が見える症状を「閃輝暗点」(せんきあんてん)と言う。脳の視覚の血管が収縮し、一時的に血流が変化するために起こる。その後、血管が拡張し、神経を刺激して片頭痛が起こることもある。

せんきあんてん。

聞き慣れない言葉。

この後、片頭痛が起こるのか。
と、身構えてしまう。

でも、片頭痛は現れなかった。

徐々にギザギザは消え、15分くらいで治り、あとは何もなかったかのように普通に戻った。

睡眠不足、ストレス、肩こり、喫煙など、様々な原因が指摘されている。まれに脳梗塞、脳腫瘍が原因になることもある。

わ、心配。

しかし、次の行でニンマリしてしまった。

若い人に多い病気で、突然発作的に現れる。

そうか、若いのか、ワタシ。えへへ。

いやいや、喜んではいられない。
脳梗塞だったら、どうしよう。

翌日、白内障の目薬を貰いに眼科へ行くと言う母に付き添い、私も診て頂くことにした。

視力検査、眼圧検査、視野検査などを受けたあと、診察してくださった先生は、物腰の柔らかい優しい先生だった。

ギザギザの絵を描いて、閃耀暗点が起こる理由や原因を説明してくださった。

「脳梗塞が原因の場合もあるそうですが」

と、一番心配だったことを聞いてみた。

「ひと月に何度も起こるとか、頻繁に起こる場合は、やはり気になります。そういう場合は、すぐにいらしてください。脳神経外科に紹介状を書きますからね」

とのこと。
つまり、今のところ、治療の必要はないということだ。

良かった。

人生で一回しか経験していないので、ひと月に何度起こるか、まだまだ分からないが、ひとまずは、安心した。

先に診察が済んだ母とタクシーに乗り、実家へ向かう。母の手には、たんまりと出していただいた白内障と緑内障の目薬の袋。

そう、
母は白内障に加え緑内障も初期ではあるが発症していた。
いつかだんだんと視野が欠けて世界が見えにくくなっていくだろう。

それまで、少しでもいい。
自由に外出が出来る世の中に戻って欲しいと、強く願う。

「あの角のあたりに100均があったのよ。もうなくなってしまったわね。でも、きれいなビルになってよかったわ」

母は、私の心配をよそに、久しぶりの外出を楽しんでいるようだった。歳を重ねると、通院でさえ「楽しい外出」になる。

もう少し母に優しくしようと思った。


※今日は「森のくじら」さんのイラストを使わせていただきました。
ありがとうございました💐

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