長年の「そばかす案件」について。

私の顔には、そばかすがある。
結構ある。
子供の頃からだ。物心ついた頃からあるので、多分遺伝だろう。
いつもは忘れている。
自分の写真を見ると、そこにそばかすがあり、ああ、他人は私を「そばかすの人」と認識しているんだなと気づく。

昔から日本では、色白のひとが良しとされている。
私も芸能人のように真っ白で、陶磁器のように美しい肌に憧れる。
しかし、化粧品を買いに行く度、ビューティアドバイザーという方たちが、こぞって美白美容液を勧めてくると、ちょっと複雑な気持ちになる。

そんなにいけないことですか?
そばかすのままでいては、いけないですか?
考え方によっては、私、割と気に入っているところもあるんです。

理由はこうだ。

イギリスにいる時、イギリス人は、陽に灼くこと、そばかすがあることを誇りに思っていることを知った。イギリスは雨の多い国。太陽の恩恵を受けることが少ない。そのため、ホリデーには太陽が降り注ぐ暖かい場所を目指す人が多い。
陽灼けやそばかすは、ホリデーに行ってきた証。勲章なのだ。

私も夏休みが終わったとき、クラスメイトに羨ましがられた。
「どこへ行ってきたの?いい色ねぇ」

なんのことはない。
歩いて10分のケンジントン ガーデンだ。

当時、好きだった人に褒められたのも理由のひとつ。
そばかすを取ろうかな、、と相談したら、全力で止められた。

夏が近づくと、この「そばかす案件」を思い出す。

去年の暮れ、気まぐれにSNSで、彼を探してみた。写真をメインにしているやつだ。見つかるわけない・・・

見つかった。

いとも容易く見つかった。

「僕の人生に結婚は、ない」
と、豪語していた彼の腕には、女の子が抱かれていた。
なんのキャプションも無かったが、多分、彼の子だろう。

私は喜んでいるのか、傷ついているのか、分からなかった。
ただただ、衝撃的だった。

女の子は5〜6歳か。ぎゅっと彼の首に腕を回している。
愛おしく思っているのが分かる。

柔らかそうな髪、肌は真っ白。

そして、頬にはそばかすがあった。

選べなかった道のほうが、輝いて見える。
選ばれなかった道・・・とも言えるけど。

20年以上前の消息不明だった人が、今も元気でいる。
それを知っただけでも良かった。

そばかすは、このままにしておこう。
真っ白になってしまうと、自分じゃない気がするしね。

今日、頭の中では、岡村靖幸さんの「イケナイコトカイ」が、エンドレスで流れている。

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