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シンエヴァ感想

 90年代のテレビシリーズや旧劇を全く見ずに序、破、Qをさらっと見て挑んだシン・エヴァンゲリオン。最初は全ての話を網羅した上で見に行こうと思っていたのだが、心の準備ができていないまま友人に連れられ見に行った。
結果的には、劇場で見るチャンスを逃してしまわないか不安だったので見に行けてラッキーだったと言える。

感想

 一言で表すなら「人気のある長編漫画が出すファンブックのような映画」だった。ファンブックというのは、20巻以上コミックスを出した漫画が新規ファン獲得&古参ファン待望の設定資料集やキャラ相関図、おまけ話を収録したものだが、シンエヴァは本筋の内容ではあるものの、そのような印象を受けた。

 前作 Q の続きではあるが、テレビシリーズ第1話から積み重ねてきたものを凝縮したものを見せられたような感じ。この一品もので納得させる!という気概ではなく、フルコース料理をいっぱい食べさせられ、情報量過多を楽しむ作品といってもいいかもしれない。

 個人的な感想としては「なかなか面白かった」というのが率直な感想である。圧倒的な作画、衰えない声優さんの演技、相変わらずそこかしこに存在するエヴァっぽさがこの映画には詰め込まれていた。

 観ている途中で「2000円未満でこれ見ていいんだ!」となった。これはあまりエヴァを知らない人間の感想なので細かい設定やパロディに逐一指摘することはできないが、とにかく面白かった。昔からのエヴァファンもなんとなくではあるが納得する内容だろう。

 エンドロールで色んなアニメーターが関わっているのがわかり、昨今のアニメ映画ブームの一つの終着点のように感じた。クオリティと掛けた時間ともになかなか類を見ない作品といえる。途中で出てくる綾波レイのリアルな巨大生命体のようなものがあるのだが、なんとなく攻殻機動隊シリーズのような作画で良い意味でエヴァっぽさがないように感じた。

 一緒に行った友人は僕が見たので6回目らしく、大体のセリフを覚えてしまったらしい。
細かなネタや描写、劇場でしか得られない迫力があるので何回も見に行く価値は存分にあるだろう。ちなみに宇多田ヒカルの主題歌を聴きたいがために観に行ったのだが、思ったよりも内容に心を奪われてしまった。ますます旧作を見なければと思った。


 

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