スウェーデン留学紀行#21 pronoun

こんにちワンタン

現在私はスウェーデンでジェンダーの授業を取っています。
その最初の授業で1つわお!と思ったことがあります。それは自己紹介の時に自分のpronoun を言う人々がいたということです。
Pronoun とは日本語でいうところの人称代名詞でしょうか。I とかyouとかheとかsheとか。

この社会は生物二元論がまかり通っていて全ての人間は男か女かという風に枠組みが作られていることが多いのですが、はっきり自分を男、女に当てはめない人もいます。ノンバイナリーと呼ばれる人々はよく自分のpronoun をthey/themと称します。
自分の性自認が男とか女の場合は自分のpronoun をheとかsheとかで称することができます。

このことをうっすら知ってはいたのですが、日本では人のことを指す際にほとんど人称代名詞は使いませんし、何よりセクシャルマイノリティの人がそれを公言すること自体が日本では難しいことだと思うのでこれで呼んでという人称代名詞を伝えられたことはありませんでした。

でもスウェーデンに来て、恐らくジェンダーの授業を取っているということもあいまって、自分のpronoun を公言する人たちがいるということを実際に知ることになりました。

そして考えたことを書いていきたいと思います。

Pronounを公言することはどういう意味を成すのか

まず、周りの人に対して自分が呼んでほしい呼び方で呼んでもらえることになります。だから、会話の節々で自分って男/女/ノンバイナリーだと思ってるんだけど相手はそう思ってないんだな…と違和感を感じることが減らせます。

そして周りも本人からどう呼んでほしいか、ということが直接伝えられるので相手を不本意に傷つけることを減らせます。実際にpronoun があるからこの人はこう呼べばいいのか、と自信を持って接することができたので周りの人としても知っておけると安心です。

そして何より自分の性を見た目などで勝手に判断されずに自分で定義できることはpronoun を公言することの中で1番意味のあることかなと思います。自分の性別くらい自分で決めさせろって感じですよね。他人に決めてもらったら困りますよね。

Pronoun について感じる違和感

そうは言いつつも私の中で少しモヤモヤがあります。

1つ目のモヤモヤは必ずしもpronoun を公言しなくてもいいよね、ということです。
他人に自分の性自認を伝えないという選択肢もあっていいはずです。私は性自認が女性のシスジェンダーですが、この性は割と特権的な性なので公言することでトラブルになったりということを心配せずに言うことができます。
でも、今の世の中で自分の性自認を公言することで余計に生きづらくなってしまったりする人々がいるのは事実としてあります。もちろんその状態を改善していくことも必要ですが、そういった人たちに自分のpronoun は何?とむやみやたらに聞くのは暴力的な行為です。だから言えばいいってものでもないし、あまりにも特権的な性の人たちが自分のpronoun を公言し出すと、Pronounを公言してないからシスジェンダーではないんじゃないか、ノンバイナリーなんじゃないか、と周りから推測されたりしてしまって余計に自分を偽ったりしなければならない方へ追い込まれてしまう人が出てきてしまうのではないかと考えました。

2つ目のモヤモヤは日本だったらどう言うかということです。私は日本語を話す時に『私の代名詞は「彼女」です。』ということがあまりにも不自然な感じがしました。もしくは『私のプロナウンはシー、ハーです。』ということも考えてみましたが、英語にあまり馴染みのない人には何のこっちゃとなってプロナウンの意味から説明することになりそうでそれも違うのかなと思いました。

まあこの世の当たり前も人間が勝手に作り上げたものなので最初の違和感は仕方なくてそのうちそれが普通になっていくものかも知れませんが。

あとは日本語ではほとんどの場面で彼は、彼女はというものを使わずに〇〇さんがという風に話します。名前で呼ぶ分にはその人の性自認は関係ないのでそれほど親しくなる予定のない人に対してわざわざ私は「彼女」で呼んでくださいと言う必要性もあまりないんじゃないかなとも思いました。

このように私は留学に来てからpronoun というものについてぐるぐると考えています。
自分はこう思うよ〜というものがある方は差し支えなければ考えをコメントしていただけると更に私の考えが深まると思います。コメントに書かなくても是非一緒に考えてみて貰えると嬉しいです。

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