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留学後備忘録#5 学生バンドの活動

こんにちは

今日は留学中に私が所属していた学生バンドのことを綴ります!

私が留学していたスウェーデンの大学では日本で言うところのサークル活動はあまり盛んではありませんでした。
私はコロナ前の2年間サークル中心の学生生活を送っていたので留学先でもそのような場で趣味を楽しみ友人を作るものだと思っていたのですが、実際にはそうは行かず結構苦戦しました。何ならこのバンド活動はある意味最も大きなストレスの根源でした。笑

そんなこんなの思い出です。

どんなバンドに入っていたの?

留学先はサークル活動が盛んではないと言ってもStudent union (学生団体?)という組織の中に一応サークルのようなものがいくつかありました。
合唱やダンス、演劇などなど……
その中で私は学生バンドの団体に入りました。バンドの編成はトランペット、トロンボーン、サックス、フルート、ドラム、ベース、ギター、ピアノ、ボーカルなどです。

なぜこの団体に入ったかと言うと、私は高校・大学とビッグバンドジャズをやっていました。同じような活動がスウェーデンでもできるならそれ以上幸せなことはないです。
しかし、入ってからこのバンドはほとんどジャズは演奏せずほとんどポップミュージックを演奏するバンドだと気づきました…

このバンドはstudent unionのウェブサイトで見つけてすぐに入部希望のメールを送りました。するとすぐに返事が来てその日にたまたま練習があるから来ていいよ〜と言われ、そのまま入部しました。

また、大学の組織の一部なので当然のようにその大学の学生だけが所属しているバンドだと思っていたのですが、実際は大多数が社会人で私が生まれる前からこのバンドで演奏していたようなおじいちゃんたちも数名所属していました。学生は私含めて4,5人でした。びっくりです。

どんな活動をしていたの?

毎週月曜日の18:30から大学のStudenterna hus(学生会館のような建物)で21:00まで合奏をしていました。平日のこの時間から合奏ができる社会人がたくさんいるところにスウェーデンのライフワークバランスが表れていると思いました。

学生バンドが一同に集まるコンサートや私たちのバンド単独のコンサートなどに向けて練習をしていました。

私は日本でトロンボーンを吹いていたもののさすがに留学中はトロンボーンを持っていかなかったため、ピアノで参加していました。

Farrel Williams のHappyやAbbaの曲など私が分かる曲も、よく分からないスウェーデン語の曲もたくさん演奏しました。

なんとなく感じた居心地の悪さ

さて、冒頭でバンドの活動は大きなストレスの根源だったと書きましたがそのことについても書きます。
当たり前ですが、このバンドはほとんどがスウェーデン人で構成されています。
意外かもしれませんが、留学中に現地の人たちばかりに囲まれて過ごすということは中々なかったりします。なぜなら私は英語で開講される授業を受けていたので授業は留学生が多く、それ以外の場でも留学生同士で関わることや日本人と日本語を勉強するスウェーデン人が半々くらいのコミュニティで過ごしていたからです。

ただこのバンドだけは異なりました。スウェーデン人が9割。私と1,2人くらいが非スウェーデン人です。国籍は実際大したことではありません。苦労したのは言葉です。

スウェーデン人は英語が話せる人が多いですが、これだけスウェーデン人が集まっているとやっぱりスウェーデン語での会話がほとんどになってしまいます。

私に話しかける時や重要な情報共有の時だけ英語を使ってくれますが、雑談などちょっとした会話はスウェーデン語です。ジョークなんかも全く分からず置いてけぼりです。

このままではつらいと思い、熱心にスウェーデン語の勉強を始めました。数字を覚えたら「何小節目から始まるよ〜」というのは分かるようになりました。最後の方はちょっとした会話なら聞き取れるようにもなりました。
でも、たった数ヶ月でスウェーデン語はペラペラになる訳でもなく、ずっとずっと言葉の壁を感じ続けました。

向こうも悪意があるわけではなく、ただ単にそこまで気がつかず自然にスウェーデン語で喋ってしまうのです。私ともう1人2人の非スウェーデン人はその場を静かにやり過ごしていました。

ただ時々、「English!English!」とみんなに呼びかけて私たちも会話に入れるように配慮してくれる人がいたりして、そういった小さな気遣いがあったからこそ、私もバンドを続けることができました。
私もそのような立ち回りができるようになりたいなと強く思いました。

あとは、やはり年上(しかも社会人)ばかりの環境では日本のサークルでできたような友人関係ができず、それも少し期待していたものとは違って残念に思ってしまいました。ただ、このバンドに入らなかったら関わらなかったであろう人々と一緒に音楽ができたことはとてもいい経験でした。音楽を演奏している時だけは言葉の壁も年齢の壁もゼロでただただ楽譜と自分たちの耳から聞こえてくる音に集中して音楽を楽しむだけです。

面白かった出来事

少し愚痴っぽい悲しかったことを書いてしまいましたが、バンドで面白かった出来事もありました。いくつか紹介します。

  • 入団オーディション

入ってしばらくして、「実はオーディションがあるんだよね」と言われました。一応オーディションで受からないと入らないという仕組みらしいのですが、人が足りてないので形式上のオーディションでとりあえず私が知る限りでは誰も落ちていないです。

オーディションで数曲演奏して、部室で結果発表をされ見事仲間入りが認められるたら、特別なドリンクを渡されました。
ショットグラスに入った謎のドリンクを飲むとそれは激マズイ謎のお酒でした。
これがこのバンドの伝統らしいです。古き悪き伝統です。お口直しにknäckebröd というスウェーデンの固いクラッカーのようなパンをもらいました。ショットもknäckebröd もすごくスウェーデンらしい文化です。
その時はなんてもの飲ませられたんだ!という気持ちでしたが、今振り返ると面白い思い出です。

  • 幕間

コンサートなどで間に休憩を挟んで第一部と第二部が別れていることはよくありますよね。
日本ではトイレ休憩みたいな感じで10〜15分何もない時間を過ごしますが、この時間の過ごし方もスウェーデンでは異なりました。

スウェーデンにはFikaと言うコーヒーブレイクのようなものが日常的にあるのですが、コンサートの幕間も実はfikaの時間です。たっぷり30分ほど休み時間を作ってお菓子やコーヒーを立食して談笑する時間があります。

この隙間にfikaを入れてくるなんてスウェーデン過ぎる!と思いました。

  • ユニフォーム作り

バンドにはユニフォームがありました。

ユニフォーム


これ、ボタンや金の紐、ワッペンなどは自分で裁縫しているんです。
このユニフォーム作りのせいで2週間くらい寝不足でした…

裁縫道具のお店で針と糸を買って、部室でみんなとぬいぬいしました。
こんなこと留学前には想像していない出来事でした。面白いですよね。そして、演奏会ごとにメダルが貰えてそれをユニフォームにつけていくというスタイルです。だからおじいちゃんメンバーはジャラジャラメダルが付いています。

クリスマスコンサートのメダル


  • バレエ団

バンドにはペアのバレエ団(ダンスサークル)がついています。私たちのバンドとペアのバレエ団とはライブで私たちが演奏する曲に合わせてダンスをします。だからコンサートなども一緒に出演したりします。

ここで感じたのは、このバレエ団はほぼ女性たちしかいないのです。そして、昔のバンドの写真を見るとバンドメンバーは男性のみ。
つまり、社交の場というか、出会いの場としてバレエとバンドがセットだったのかな〜なんて思いました。それがいまだに名残りとして残っているようです。

バンドには私含め女性もいましたが、バレエには男性はいませんでした。衣装もチュチュみたいなものだったり、ダンスもバレエのような感じ(ヒップポップ的なものは踊らない)ので性別が偏ってしまっているのかなと思いました。

なんとなーくスウェーデンは男女の差が日本よりないイメージがありましたが、スウェーデンも元々はジェンダー差別があったし、人々の意識の中に残るものもあると思うので完全な男女平等は相当難しいのかなと思いました。
だって女性的な衣装を着たくないけどダンスをしたい人は大学の団体以外で踊る場を探さないといけない状態ですもんね。。。


そんなこんなで山あり谷ありのバンド活動でした。スウェーデンでは普通の学生も留学生もこのような活動に参加してない人の方が多いくらいですが、スウェーデン人に囲まれてスウェーデンの学生文化を存分に味わうのにはとってもいい機会です。よろしければ参加してみてください!

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