箱根駅伝2021 来年、その後の主観的観測

ということで、来年そして、今後の大学駅伝に期待することを主観たっぷりに書いてみることにする。

●1年生ビッグ4
今年の大学陸上長距離界は一年生の大豊作だった。その中でも以下の4人には今後も注目したい

三浦龍司(順天堂大、全日本1区区間賞、区間新)
吉居大和(中央大、全日本インカレ5000m優勝)
石原翔太郎(東海大、全日本4区、箱根3区区間賞)
佐藤一世(青学大、全日本5区区間賞)

今年の1年生は練習がままならないことも多々あったと思うが、にもかかわらず彼らは好記録を連発。特に三浦は3000m障害ではオリンピックを狙えるレベル、吉居も日本選手権5000mで社会人選手と渡り合い3位とスケールの大きさに驚かされる。そんな選手が複数いることで、刺激となっているように思う。

彼らだけでなく、駒澤大、鈴木、東洋大、松山などいい選手は目白押し。彼らの中から箱根の区間賞、区間新は当然、将来オリンピックに出場する選手が多数出てくれると期待している。

●来年2022年の優勝争い
今年の箱根の上位3校、駒澤大、創価、東洋は4年生が少なく、来年も間違いなく優勝争いには絡んでくるだろう。駒澤大は田澤が額面以上の走りができれば、連覇も見えてくるだろうし、創価大もこの悔しい結果をバネにできれば、引き続き面白い存在になるだろう。

しかし、私が最も注目するのは、東洋大だ。箱根の10区で一旦は青学大にかわされたものの、それを抜き返しての3位は東洋のV字復活を思わせた。そこに、5000m高校新記録を打ちたてた、石田洸介(東農大二)が入ってくるのは大きな刺激になるだろう。山登り5区はお得意なので、下りの6区がポイントになってくるだろう。

●前王座、青学大は?
全日本、箱根共に4位となり、不本意な結果に終わった前王座の青学大。選手の出来、不出来が目立ってしまった。4連覇時の青学大はほとんどの選手が区間6位以内で走り、どこかの区間で爆発する選手がいるという駅伝を展開していた。しかし、今年の青学大は両駅伝共に調子のいい選手と悪い選手がはっきりしすぎていて、安定したレース運びができなかった。青学大、原監督の目論見は、優勝した復路のようなレースが展開されることだったのだろう。

多くの大学は力の抜きんでたエースがいて、他大学の監督はそのエースがどの区間を走るのか腹の探り合いをするのだが、原監督にはそういう質問を受けることがほとんどない。それだけ、青学大の選手は全体のレベルが高く、誰をどの区間に使ってもそれなりに走れるということだ。

しかし、同じレベルの選手が多いことで、当然人選は難しくなるだろう。しかし、如何に調子のいい選手を走らせることができるか、そこが青学大、そして今後の大学駅伝を左右することになるだろう。

●再来年への期待
往路19位と大きく出遅れたものの、復路3位と巻き返し、12位となった中央大。復路の活躍で層の厚さは証明された訳だが、とにかく、来年はシード権を確保してほしい。そして、吉居大和の弟、吉居駿恭(新高3)が兄の背中を追って、来年中央大にやってくれば、再来年の箱根は優勝候補に中央大が名を連ねてもおかしくない存在になると思っている。

名門復活を期待したい。

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