「陶芸家になるには」ースタイル編ー 17 <離:スタイルを育てる>
スタイル編 まとめ
性質増幅装置
以上、「陶芸家になるには ー スタイル編」を見てきました。
陶芸家としてキャリアを積んでいくには、自身の「性質」を知ることが、どうしても必要になってきます。
私は、なるべく「個性」や「長所」という言葉を使うのを避けてきました。
第一線で活躍しているアーティストと比べて、自分にもあんな才能があれば…と、うらやむ。
今でも度々、比べてしまうことがあります。
「個性」や「長所」と言われると、なんとなく誰よりも秀でた、一番を取れる分野と感じてしまいませんか?
しかし、「性質」はひとりひとり誰でも持っています。
誰一人同じ人はいないので。
その性質を「スタイル」にして、楽器のアンプのように増幅させる。それだけで、強烈なパンチがあります。
そして、そのアンプの役割をするのが陶芸です。
比べられて、競争する…。
現代社会で育ち、資本主義の刷り込みにより、常に急かされているような感じがする。
でも、性質なんて比べる基準がありません。
自分を受け入れて、自分自身を楽しめば、それだけで特別な作品ができます。
嘘ではなく、本当に。
そして、そんな作品には、不思議と人の心を動かす何かがあります。
自身を知れて、自分も他人も楽しめる。
そんな人生を可能にするのが、陶芸作家という職業です。
次章へ
最後に述べた、「他人からのフィードバック」と「マーケット感」。
自分の中で完結していた制作ですが、徐々に外の世界との繋がりが必要になってきました。
資本主義経済の中で生きていく限り、マーケットとの接点は必要不可欠です。
強烈な個性で、自己完結型のアート作品をガンガン創るアーティスト。
そんなスタイルでも、売買が発生する限り、マーケットとは無関係でいられません。
次はその、陶芸マーケットを解体し、自身のスタイルの微調整を行う。
そんなことを提案できればと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?