見出し画像

考えるな、踊れ!90年代キューバへの旅 その2

新婚カップルツアー

30年前のキューバ体験には、鮮やかな記憶がいくつもあるが、その一つは、新婚さんツアーに参加したことだ。
当時キューバでは、経済制裁に伴い移動手段が非常に限られ、(今思うとほんとなのかと思ったりするが)国内移動の長距離バスや列車(列車はそもそもないと思う)がなく、ハバナに到着した私は全く他の都市へ行くすべがないことを知った。
ちなみにタクシーや乗用車もほとんど走っていないので、ハバナ市民も徒歩や自転車の移動がほとんどだった。したがって街で見かける人々が締まった体形で、みな健脚と見える。(動画を見てほしい)日本からの観光客(私)を見かけて「おーい、日本人」と叫びながら、かなり遠くから走ってくる人たちが何人かいたと思う。
しかたなく、私は当時のソ連製の自転車をレンタルしたり、50ccバイクをレンタルしたりとハバナ脱出を試みたが、ソ連製の自転車は重くてスピードが出ず、50ccバイクも故障がちだった。
ある時、街中で旅行代理店を見つけ、移動手段について聞いたところ、「うちのツアーに参加すれば?」と言われた。当時キューバでは個人旅行客をあまり見かけない一方、団体旅行客は確かにいた。他の街へ行ける、というので、お金を払って確か1-2泊の小旅行に参加させてもらった。場所も残念ながら覚えていない、トリニダーか、シンフエゴスではなかっただろうか。(動画の一部にトリニダーらしき町の風景がある)
朝、ハバナの集合場所に行ってみると、なんとツアーはヨーロッパからの新婚旅行客ばかりが参加するものだった。中年のカップルもいたと思うが、ほとんどはスペインなどヨーロッパからの若いカップル。私はスペイン語もできないので、ロクに自己紹介もできず、マイクロバスに乗せてもらって旅行に出発した。

踊れ、踊るんだ

街を観光して、食事をして、また観光。楽しそうなカップルを横目にお邪魔虫の私は、とぼとぼ集団についていく状態だったと思う。しかし、3名の添乗員(うち1名が運転)がいろいろと声をかけてくれて結構楽しんだ。添乗員は太っちょのおじさん、エド山口のような薄毛のおじさん、そしてもう一人はムラータ(混血)のセクシーな女性だった。
そして、またもダンスタイムだ。ランチのお店でも、店内の音楽に合わせて、誰かが踊り始め、新婚さんたちも踊り(ヨーロッパ人は踊れるのだ!)、そして夕刻のディナーなど、もうフロアがあるようなレストランで、食事の前から踊っている。ワインやラムも飲んでいるご一行は、いつまでも踊り続けていたと思う。私も添乗員さんから、あるいはたまたまレストランにいたお客さんから誘われて踊り、踊って、いやあまり踊れなかった。(添乗員のおじさんから、ほら、上半身と下半身は別に動かすんだ、違う違う、とか言われて。)
酔いが回っているのか、踊りで目が回っているのか、何とか部屋で眠りを取り、翌朝ホテルのロビーに行くと、カップルたちはいるが、肝心の添乗員がいない、、、。なんと前日あまりに盛り上がりすぎ、3名とも寝坊したということだった。添乗員って大変だって聞くが、あんなにお客さんに付き合って楽しむとね、、、私は3名には感謝する朝だったと思う。
しかし、今手元にあるこれら画像には、この新婚カップルツアーの写真が全くないのはなぜなのだろう。いい写真がなく捨ててしまったのか、フィルムがなくなったのか(そんなことはない)。カラー写真で出来が悪かったか。写真を見ながら改めて残念に思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?