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やさしい「広報戦略」の話。


〜経営戦略と広報戦略はリンクしていなければならない〜
おそらくどの広報もわかってる、わかっています。

また「広報戦略」とは別に、広報に絡めたバズワードのようなものが、便利に・安易に使われるようになり、言葉尻だけ捉えてしまい悩んでいる人が多いようにも感じます。
世の中の空気づくりを打ち上げ花火的に仕掛ける「戦略PR」も全然違うので注意、ですが言葉の使いわけは結構どうでも良かったりします。

さて、テーマにした「広報戦略」ですが、やっているつもりでいたことの反省や、実際に正しかったのかな、と思うところがあったので整理してみました。


サービスのあり方を広報視点でチューニングしておく

たぶんこれがないとはじまりません。いつも答えられるようにしておいたのはこの項目です。

ファクト:価格・導入企業数・ユーザーの傾向
革新性:なぜこれまでなかったのか・競合サービスと優位性
存在する意義:市場の大きさ・社会性・事業の目的・ビジョン
ストーリーテリング

さらに「誰の・何を達成して・世の中をどう変えていくのか」をサービスミッションとぶれないように、広報目線でチューニングをしていきます。SmartHRの一例はこちら。

SmartHRは、人事労務の領域を超えて、働くすべての人を後押しするプラットフォームへと拡大を続けています。

SmartHRに蓄積されたデータ活用の価値を高め、戦略人事や組織改革における意思決定の促進を目指します。今後も追加オプション機能の開発と優れたサービスとの連携により、SmartHRのプラットフォーム戦略を進めていきます。(※)

SmartHRで煩雑な労務手続きや労務管理の効率化を可能にし、創出された時間でより価値のある仕事に集中できるように、人事労務部門が推し進める働き方改革を支援します。

※ ここはリリースや訴えたいトピックによって変わります


戦略から計画への落とし込み

SmartHRでは、半期に一度キックオフがあり、中・長期的的なミッションが全社に共有されます。さらに、目標設定ではOKRを取り入れているので自分のやるべきことが考えやすい。どういう状態を目指すのか、から逆算して具体的なベストプラクティスを考え抜きます。

最近やったことの一例
・ターゲットとした業界の有名企業の導入事例
・シーズナブルな労務イベントにあわせたセミナー
・法改正に即時対応する意思表明 
・継続的なトップシェアの獲得と訴求
・権威あるアワードへのエントリー
などです。

SmartHRの場合、市場やサービスの特性上、いきなりユーザー数が跳ねることはないですし、奇をてらった広報施策は考えていません。レバレッジが効くことと、主にエンドユーザーに対して、SmartHRのバリューのひとつである「人が欲しいと思うものをつくろう」を愚直に考えます。

この活動を続けていれば、世の中が当たり前に使うサービスになると信じていますし、この想いがパフォーマンスに影響する気がします。

時流としては、# 働き方改革  # HRテクノロジー # SaaS  # サブスクリプションモデルなどがトレンドになっているので、これらに紐付いたいくつかのカードも常に用意しておきます。広報がエレベーターピッチのチャンスに遭遇することは日常茶飯事だからです。


レピュテーションマネジメントの効果

情報を発信するうえでは、メッセージがぶれないよういくつかのルールを決めています。

ひとつ例にあげると “SmartHRは人事労務業務をディスラプト(乗っ取る、一変させる、破壊)しない” 
これは、事実きれいごとではなく、人事労務担当者の皆さんは、様々な法改正や多様な働き方に対する環境や制度づくりなど、人にしかできない、いわば応用の領域も早急に対応せざるを得なくなってきました。
アウトプットが同じ手続き業務は効率化して、クリエイティブな業務に集中できる時間をSmartHRで創出させる。なので、人事労務業務はなくならない。
このメッセージを繰り返すことによって、社内外ともに浸透していく効果が感じられました。


経営とどう結びつけていくか

個人の感覚ですが、「広報は現場にまかせている」「それ効果あるの?」と、経営が広報にコミットしている企業は少ないように思います。
しかし、その逆が隠れた大きな問題で、広報が経営にモノを言えない、戦略や計画に共通認識を持てていないことも多くあると感じています。

かくいう私がそのひとりで反省しているのですが、データや根拠もほぼないなかで、広報がサービスの方向性を決めて「こうすれば上手くいくはずです。」と説得するのはかなり荷が重い。助けてほしい……というのが本音です。

「......助けないって言われてない!」 そう思って、経営メンバー3人に (1)広報戦略の握り方 (2)目線の合わせ方を聞いてみました。

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CFO・玉木さん ↑

副社長・CIO 内藤さん
(1)約束を守り実績を積み上げ、信頼で殴る。
(2)広報目線での自社分析結果を共有するとか?

COO 倉橋さん
共通して、明確に握っていなかったなぁと思いました。自身の反省点ですが。「戦略の明確化」は経営と広報の両方でやって、それ以降の企画・実行、番人を広報に任せる形が良さそうです。

CFO 玉木さん
(1)握り方というよりも、将来的にどういう会社になっていたいのか→そのためにはどう社会から見られる必要があるのか→そのためにどうステップを踏んでいくのか→その中でどういう手段を使っていくのか(メディアへの露出、コーポレートブランディング、プレスリリースの方針など)みたいなことを筋道立てて議論していくということですかね。理想論すぎ?
(2)↑の議論がちゃんとできれば自ずと目線は合っていくと思われます。


みんなほぼ同じ共通認識を持っていますし、耳を傾けてもらえることは確認できました。理解がある経営メンバーです。ということで、私自身が機会をつくっていないことと、信頼・説得力が足りてないことが判明したので、なんとなく光は見えてきました。


計画したあと、大事にしたいこと

どの会社でも広報とは経営に近い組織で、強い広報チームは時に経営の切り札として期待されている面もあるかと思います。そう評価される上である程度の戦略は持つべきだと思いますが、現場仕事をやりきる力を示す、現場で汗をかくという行為にはこだわっていく必要があると思います。

これなしに成果や手応えを手に入れることはできません。もし計画や戦略どおりにいったとすれば、ヨミが当たったというよりは、現場の努力の賜物であり功績です。 

スタートアップの現場では、予想だにしない案件が日々あちこちから降ってきて、計画を立ててもその通りに実行するのは難しい。むしろ、迅速に適切な方向転換を楽しめるひとが結果をだせています。
さらに広報の場合だと、たくさんのニュースにバランス良く触れ、時流やユーザーの傾向をつかめていれば、不意にアイデア(社会文脈)が降ってくることもあります。

計画はガチガチに固めることなく、戦略に基づいた計画と少しの余白を持つという理想を持ちながらも、一番大事なことは現場で頭と手足を使っていくことには変わりありません。

そして、広報関連の書籍に書いてあるような「こうしなければならない」という基本やセオリーもとても大事ですが、まわりの力を借りたり、自分で考えまくることで、自社の最適解に近づけると思っています。 おわり。

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経済産業省→メガベンチャー→スタートアップ広報6年目。非合理をハックするBtoB / ITサービスが好きです。

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