その世界に入って考える

「2a-a=」の数式の答えは、2じゃありません。答えは「a」です。2aからaを取るんだから2でしょう？という思考は数学の世界の思考で考えていない答えです。2aというのは、aが2つということ。2つあるaから1つaを取ると、残るは1つのaですよね。ですから「2a-a=a」です。この理論を知ると別の数式も解けます。「5a-a=4a」というふうに。

　大事なことは先に触れましたが、ルールを知るためにその世界に入って考えることです。知ればわかるんです。

　働き辛いとか、人間関係に疲れて会社を辞める人も多いのですが、コンサルでお話を聞いていると、どうも自分の世界でしか物事を考えていない人が多いように感じます。「あの人は嫌、自分の管轄ではない仕事を押し付ける会社はブラックです」と、言わんばかりの人を多く見受けますが、その会社に入った以上はその会社の世界に自分を合わせていく必要があります。数学の世界を知ろうとしないので「2a-a=2」だと答えを出してしまうようにです。

　彼氏彼女の部屋に転がり込もうが、祖父母や親戚の家にお世話になろうが、親しいからと思って自分の時間の使い方で生活をするとやがて嫌われます。出て行ってくださいと言われます。その人たちの世界が作り上げた生活のルールがあるからです。生活のパターンが違うけれども、一緒に生活をするのならば住まわせてくれる人たちのルールに合わせることで関係性はうまくいきます。

　自分の人生を豊かに作り上げていくには、さまざまな世界に触れることです。その世界に入って考えて、自分を変化させながら行動して人生に活かしていくということがとてつもなく重要です。そうしないと、自分勝手さに気づかず、私の個性を分からない人は価値観がおかしいと思ってしまうズレっ放しの感覚と思考で生きていくことになります。人生がうまくいかなくて当然です。

　今日は養老孟子さんの「ものがわかるということ」を読みました。今年読んだ本のなかで断トツに良かったです。明日は再読します。養老孟子さんの本を全冊読もうと計画中です。養老さんは私を相当考えさせてくれます。

山下純子

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