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登校拒否になった話③

担任の先生は、うちに上がると心配そうに私を見た。

先生は背が高くて、格好いい。大学ではラグビー部だったらしく、みんなの人気者だった。先生とは今でも繋がりがある。

私は先生がうちにいるなんて信じられなかった。

当時うちは、母と妹と私も三人家族。家は新築したばかりで、(母が女手一つで建てた)先生は「立派な家だなあ」と少し驚いていた。

そう、母は頑張り屋だ。父が亡くなって妹と私を育てて、スイミングやピアノ、そろばん、塾に行かせてくれた上に土地を一括で買い、家を建てた。殆ど母の稼ぎで、である。

そんな母の支えは、私が立派な大人になることであった。できれば公務員になる、とか。しかし、私は登校拒否になったものだから母の落胆ぶりは相当のものだったらしい。

私は先生の前でうつむいていた。学校には行きたくない。でも、このままでは卒業もできなくなるだろう。

半年もならないうちに、高校三年生は終わるのに。

私は、保健室登校をすることに決めた。保健室だったら学校に行ける。

少し、私は上を向いた。





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