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医療系オススメ本:最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM
健康な老後を送るために
医者になって良かったと思うことの一つは、勉強してきた知識が自分や家族や大切な人たちの健康を保つのに役立つということです。基本的な考え方の根本は通じるところがあっても、どんどん医療は発展していくから都度都度アップデートは必要ですが…
今、ネットやSNSに溢れる情報は、極端なものやフェイクも混ざっていて、購買意欲をそそるために過度な宣伝もちらほら。
医者は、実際にどのように考えているのか。
どのようなメリットのために治療を勧めているのか。
そんなベースが書かれている本。
それが分かると、まずは世の中の眉唾な偽情報に引っ張られずにすむのではないかと思います。
本書では、米国老年医学会が提言する健康な老後に不可欠な「5つのM」をベースに書かれています。
どうしたら良い死に方ができるか。
人生100年時代と言われて気づけばもう長らく。
医師として仕事をしているからか、私はよく死ぬ時のことを考えます。
どれぐらい考えるかというと、子供たち、夫、両親、きょうだいに遺書をしたためたことがあるぐらい。
自分に何がふってくるとも限らないので、自分がいなくなった後も、どうか家族が楽しく暮らしてくれるようにと願っています。
そんな中、私がよく考えていることのひとつは、「どうしたら良い死に方ができるか。」です。
子どもたちが時々言います。
「死ぬのがこわい」
分かる。
私も子どもの時そんな風に思ったことがある。漠然と、ぞわっとした恐怖。
今は、子どもを残して死ぬのが怖い。子ども達が大きくなるまで、自分が支えでありたい。
次は、子どもが大きくなるまで生きられるとして。
年を取って、体の不調が出てきて、節々の痛みも出てきたりして、病気をきっかけに動けなくなってくるかもしれない…。
こんな風に年を取ったり、死ぬことに対しての心配は尽きない。
その不安がなくなれば、もっと安心して毎日を過ごしていけるのではないかなと思います。
それを考えるヒントとして、一番最期を考えておく、というのは大事なこと。
本書から引用し、一人のエピソードを最後にご紹介します。
自身も進行性の難病を抱えるカーティス医師は、「JAMA]と呼ばれる医学雑誌にこのような手記を寄せています。自身の義母の話だそうです。
「彼女は意志の強い女性で、家族を深く愛していました。70代半ばで、耐えがたい痛みのために腰椎の手術を受けたのですが、手術台の上で心停止してしまったのです。意識回復の見込みがないことがわかると、私たち家族は集中治療室に医療チームとともに集まり、彼女が横たわっているのを見ました。その際、私たちは彼女が手書きで書いたリビング・ウィルを朗読しました。それは、生命維持装置で生かされることを望まず、家族とコミュニケーションをとる力がなくなったら、もう絶対に生かされたくないという思いを記した家族への手紙でした。生命維持装置による生命維持を望んでいないことは、その手紙がなくても、家族の誰一人として疑う余地はありませんでした。ですから、この文書によって、彼女への治療が変わったというわけではありません。しかし、あの手紙は、集まった妻、義父、義兄、そして私にとって、深い心の支えになりました。」
356P
「しかし、あの手紙は、集まった妻、義父、義兄、そして私にとって、深い心の支えになりました。」
この部分が好きです。
私が死ぬ時、まさにその時に、家族の心の支えになりたい。
みなさんは、どう思いますか?
それではまた。
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