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おすすめエッセイ:まにまに

まにまに。


1人旅の間。海辺で、そしてホステルの部屋でごろごろと「まにまに」を読んだ。友人が勧めてくれた西加奈子さんのエッセイ本だ。



私は、エッセイが好きだ。


岸田奈美さんのnoteを読んで、エッセイの面白さをした。

 
そこから向田邦子さんにたどり着き、時代が違うのに、こんなにも自分に近しい部分を見つけられるのかと驚いた。


そしてさくらももこさんを読み、現代にだんだんとたどり着いてきたのが、西加奈子さんだ。


そうだ、合間にブレイディみかこさんも挟んだ。


西加奈子さんはなんとテヘラン生まれ。それだけでなんとなくかっこいい。

そしてシュッとした美人。


今回西加奈子さんの中でも、まず1番初めに「まにまに」を読んだ。



エッセイストというものは、自分がどんなにしょうもない部分がある人間かと言うのを赤裸々見せてくれる。


書く、と言う事は、自分の玉ねぎの皮を1枚1枚丁寧に向いていくようなもので、書いてるうちに、自分が実際どんなことを考えているのか、どんな人間かというのがだんだんと明らかになっていく。


書くことによって、私たちは自分を知ることができるともいえるかも。



彼女の書く内容は、もちろん考えが違うこともあるし、同じことがあれば面白いなと思う。
友達とかなり深い話をしているようなものなのだ。
普段一緒にいる人はある程度限られるので、自分とは違う人間と深い話をできると言う事はとても価値がある。

エッセイと言うのはそれを可能にするのだ。

全然仲良くないのに急に仲良くなって色々話してくれて勉強になる、すごいアイテム。


素敵だなと思った文章を抜粋してみる。


だから子供を見ると、私はたまに泣く。今では、あなたたちのようにフランケンシュタインをちっとも怖いと思わないけれど、だからって無敵になったわけでは無いのだ。
まにまに


そうなんだ。そうなんだ。
確かに、フランケンシュタインは怖くない。おばけは怖くない。凝ったお化け屋敷や、ホラー映画は怖いけど。
でも、その他に、怖いものがある。子どもの時には気づかなかったものがある。
子どもが、段々大人になっていくと気づいてくるかもしれない。とんでもない無力感を感じるかもしれない。子どもたちがそういうものにこれからぶつかって行くと思うと涙が出る。
でも、今はか弱い、可愛いあの子たちも。いつかは私たちを追い越していくのだ。

やはり旅行は良い。自分が何者でもないことが、わかるのが良い。
まにまに


西加奈子さんは、旅行が好きだ。私も、旅行が好きだ。ただ何者でもない感じを体感しにいく。たった1人の人間で、それとして自由に振る舞う。その世界に溶け込む、人の目を気にしなくていい。海外旅行に行く喜びを、友人も同じように言っていた。
これはある程度、共有できる感覚なのだろうなと思う。

「失敗しても、いつかそれを肴に酒を飲もう」
まにまに

大体のことは、これで解決しよう。

命さえあれば。

そう思いながら生きる事は、とても難しい。今日も私は、当たり前のような顔をして、安穏と生きている。
まにまに


人はすぐ忘れてしまうので。
今日は安穏とするけど、明日は「命さえあれば」と思うかもしれない。
忘れて、思い出して、忘れて、思い出して。私たちの人生はこれの繰り返しだ。


命があり、ありがたい。
また西加奈子さんのエッセイは、読んでみる予定。

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