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瞬きもせずに『シュリ』デジタルリマスター版を見てきました

24年前『シュリ』を見て以来、キム・ユンジン=渡瀬恒彦に似てる説を唱えているじゅんぷうです、こんにちは。

私が初めて見た韓国映画、『シュリ』。

1999年。日本では2000年公開でした。その後権利問題でサブスクでも再会叶わず、きっと今見たら感じ方も違うのではないかな、見たいなと思っていたところ、このたび4Kデジタルリマスターで25年ぶりに上映とのことで初日に見てきました。

グランドシネマサンシャイン池袋は初めて来た

うわうわうわ、若い若い若い!
キム・ユンジンもハン・ソッキュも、そしてソン・ガンホにチェ・ミンシク、今やみんな大御所の面々の駆け出し時代!!

中でも何といっても当時から気になる存在のソン・ガンホは25年の間にコンスタントに出演作を見続けているので、フレッシュさ歴然。このシュッとした顔!このリーゼント!声も細いんでは?ってぐらい若い…!!こちらが気恥ずかしくなるようなピチピチ感。

お店の女の子にもれなく「アンニョン~」と声をかけるようなキャラクターは、のちのソン・ガンホを見ていくと異色とも思えるし、のちの役柄のほうが異常とも思えます。異常な人物や異常な状況におかれる人物ですね。

とにかく俳優陣の若さもだし、ポカリの細い缶とか!たしか当時も「缶、細い」と思った気がするので日本ではもう細い缶は絶滅していた時代だったのではないでしょうか。

恋人イ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)との結婚を間近に控えているジュンウォン(ハン・ソッキュ)。韓国の情報機関の要員であることは彼女には秘密にしている。ジュンウォンと相棒のジャンギル(ソン・ガンホ)は、多発する要人暗殺事件の裏にいる北朝鮮の女工作員=凄腕スナイパーの〈イ・バンヒ〉を追っていた。そしてジュンウォンの因縁の相手パク・ムヨン(チェ・ミンシク)率いる北朝鮮の特殊部隊に強奪された液体爆弾は、何万人もの観客、そして南北の首脳が集まるサッカー交流試合が行われるスタジアムでそのタイミングを待っていて…

ストーリーは今となっては王道、スパイアクションという点ではちょっとカメラ酔いしそうだったけど、こんな緊張感久しぶり。スクリーンで味わえてよかった。当時から忘れられなかった自爆シーンでも身構えちゃいました。

冒頭、北朝鮮の特殊部隊の凄惨な訓練シーンからの、ジュンウォンとミンヒョンの甘く平和な恋人同士のシーンの対比。同じ民族なのにこの大きな隔たりというものが、後半のハン・ソッキュとチェ・ミンシクが対峙するシーンで爆発します。ムヨンが北の人民を代表する恨み…分断への、国家への、兄弟のはずの南への50年におよぶ怒りを口にするこのシーンで瞬きもできなくて、知らぬ間に涙が一筋、流れていました。

当時新進女優だったキム・ユンジンもさまざまな顔を見せてくれたのだけど、やっぱりハン・ソッキュと銃を向け合うあのシーンが凄すぎて。完全に、右の顔は大統領を追い、左の顔で愛する人を見ているように見えた。そしてラスト…この一連の表情、『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』で仲間を撃つしかなかったトニー・レオンに並び立つと認定します!

さらにこれ、民族の分断の悲しみでもあるけど、もうひとつの隔たりがありました。ジュンウォンはギリシャ神話に登場する九つの人格を持つ女神ヒドラに彼女をなぞらえたけど、本当はそうじゃなくて。彼女自身「違う人間になって違う人生を歩んでいる気でいたけど違った。わたしは愛する人を撃つしかないイ・バンヒ」だと言っているんですよね。だからイ・バンヒとしてジュンウォンを愛していたのに。ふたりにもう少しだけ時間があったら、何かが変わったのでしょうか。

〈韓流〉前夜の韓国。すごい俳優がそろっていたのだとあらためて感じます。ファン・ジョンミンも出ていたとは

瞬きも忘れるほどの緊迫感で、見終わったとき、目がバキバキでした。あれ?感動の涙なのか乾燥の涙だったのか?しかもフライドポテト食べてたんですけど、服の上にポテト2本落ちてた。撃たれたのかも。

パンフレットはたしか取り扱いのない上映館もあったので、聞いてみたんです。こちらですと出されたパンフレット。

ヘイsiri、シュリはSHIRIなの?

え、SHIRI?
私「『シュリ』です」
劇場「『シュリ』です」
お会計しながら中まで確かめた笑
シュリシュリ言ってるけどハングル見て納得。【쉬리】なので「シュィリ」何なら「シィリ」ぐらいの発音です。

そういえば映画オープニングでの主要キャストや監督名が全部読めたのは喜び。会話の台詞も字幕と合わせながら理解できる言葉が多かった。25年前のこのときと、現在とで、南北間は果たして何か変わったのだろうかと悲しい疑問を抱かずにはいられないけど、少なくとも日韓は、政治的なことは別としてこんなに近づいたのだなと実感しました。

危うさを抱えたままの国。今も起こり得ること。『シュリ』があったからこの20年後に『愛の不時着』が生まれ、『シュリ』で描かれた男女の想いがセリとジョンヒョクに昇華したと思いたい。たまたま部屋着の『愛の不時着』Tシャツを着ながらのnoteでした。

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