六分儀句会23 弥生の段

年度末のあれこれ些事のお片付けですっかり失念しておりました。月月年年過ぎ去る速さは加速化していきますが、もう一気に残りも巻き取ってほしいと思いつつ、春です。


34. 去る人の足跡ばかり水温む (岡田朋之)6点
◎ 山本たくや 今回の中でダントツに良かったです。「卒業」というワードを使わずに、そういう景を上手く表現されていると思います。「水温む」季節に「去る人の足跡」が多いのは、めっちゃエモい。単に「卒業」だけでなく、退職など春特有の「別れ」を上手く押さえて表現している。
◯ 黒田さつき 
◯ 小林少年 「水温む」は合わないような気がしましたが、逆にこの季語によって上五中七の印象が変わり、未来への応援句のように感じました。去る人もそして送る人もがんばれ、といいたくなりました。
◯ わたなべじゅんこ 寂しさを感じつつ、それぞれ新しい一歩の予感。
◯ 仲田陽子 水たまりのまわりの春泥を思いうかべた。春は別れの季節ですね。

3. あの鬼も人間だった卒業式 (髙橋梨華子)4点
◎ 明定朝子 あの怖い先生が怖い顔のまま泣いています。生徒に対する想いが強い先生だったんでしょうね。いい先生だったんでしょうね。
◯ 佐伯一馬 教師のことですかね?離れてみると恋しいのは厳しかった先生のような気がします。
◯ 岡田朋之 既視感のある描写だけれど、意外と俳句でみたことがないかも。
△ 山本たくや 伝えたいこと、イメージさせたい光景は分かる。分かるがどうしてもクサさを感じてしまう。下五に「卒業式」を持ってこない方が良いかと思いました。
△ 佐々木ふく 鬼みたいに怖い先生が泣いたのかな…

33. 三月は八分音符になりやすく (黒田さつき)4点
◎ 芳野ヒロユキ 脈拍だとすると病院に行ったほうが。三月は確かにこういう気分のリズムだと思いました。春らしいです。
◯ 佐々木ふく 慌ただしいと言うことかなと思いましたが、それでも楽しそうなのが、「八分音符」の力かなと。表現が素敵で、三月にぴったりです。
◯ 髙橋梨華子 冬が終わり、ちょっとしたウキウキが増えてくる季節ですね。
△ 久留島元 音楽がまったくわからず、八分音符がよく理解できていないのですが、絶対音感的な感じで季節を音に感じるのは面白いと思いました

39. アグリッパ描きかけのまま卒業す (仲田陽子)4点
◎ 小林少年 きっと、このデッサンは卒業の重要な課題ではなかったのでしょう。卒表できる喜びやこれからへの期待で、そこまで気が回らなかった。今思うと指導教官の気持ちは如何に。ありがとう。すみません。初々しくて好きです。
◯ 佐々木ふく そんなに熱心じゃない美術部だったのでしょうか。学校生活が想像できて楽しいです。
◯ 髙橋梨華子 美術室に残されたデッサン。懐かしくて愛おしい青春に心がキュッとなります。

46. 一瞬ではじまるけんかチューリップ (佐々木ふく)4点
◯ 小林少年 なんか分かる気がします。きっとけんかの原因もそのうち忘れていつものように友だちに戻る。庭先や公園にチューリップが花開いていて、風に揺れている様も目に浮かびます。うまい、と思いました。
◯ 岡田朋之 子供の喧嘩って本当に突然ですよね。幼稚園児おそろし。
◯ 明定朝子 何か一言多く言うだけでケンカになるんだよね。そのひとことが災いの元なんだよね。
◯ 久留島元 きょうだいなのか、親子、夫婦なのか、たぶん家族ではあるだろう、当人たちはともかく端から見ると楽しげな雰囲気

50. 君ふふふ僕はむふひの梅ふふむ (黒田さつき)4点
◎ わたなべじゅんこ みんなが笑ってて楽しい。語感も語呂もいい。
◎ 髙橋梨華子 文字の並びもいい、声に出してもおもしろい、梅ふふむで着地するのがとてもいいですね。
△ 小林少年 これも好きな句です。「僕はむふひ」の謎をどなたか教えてください。

55. 沈丁花こちら薬の盛り合わせ (佐伯一馬)4点
◎ 久留島元 現代ならたくさん薬を飲まなくちゃいけない人かなと想像するが、調薬って本来こんな感じなのかなという気もする。体にいいような、悪いような。どうぞお大事に。
◯ 佐々木ふく 「薬の盛り合わせ」という楽しげな、でもちょっとアンニュイな感じが、沈丁花と合うなと思いました。
◯ 仲田陽子 薬の盛り合わせって表現がおもしろい。


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