証券会社④(さよなら金融、もう嫌です)

人の喜ぶ顔が原動力になり、毎月のように新規顧客数は増えていった。他の新人達の3倍くらい多い。表彰もされた。でも、会社が売れと言った商品は一切の販売をしようとしない。これが大問題だった。

あまりにも仕事が合わなかった。毎日16時間も働けない。残業代なんか出ないのに営業を続けるから、スーツはすぐにボロボロとなって毎月ツーパンツのスーツや革靴を買っていた。お金も持たない。

リストラ対象になり大泣きしていた40代の社員さんも見た。2年上の先輩は人を人として見たらやっていけないと言った。炎天下で営業中、同期の1人は心臓発作を起こして急にこの世からいなくなった。

自分が生きるためなら何をしても良いのかな?
働くって様々な人を不幸にする事なのかな?

苦労して就職したけど、色々な事を考えて悩みながら入社1年目で退職した。この当時、転職は難しい。新卒で入社した会社に一生涯ついていく事の方が普通だった。

転職サイトはまだない。転職雑誌のB-ing、Dodaやハローワークで再就職先を探さなくてはいけないが、情報量が今の1/10もあるかどうかというのが実情。また合わない仕事に当たる高リスクを抱えるが、自分で生計を立てないといけない不安もある。

超就職氷河期。全く希望もしていない会社へ仕方なく就職した人はかなりの数になるだろう。転職という選択肢が容易になって希望する仕事につけるようになればな…と思って転職したのが求人広告の代理店。

上司の8割がリクルートからの出向社員。営業スタンスもリクルート流。ここはリクルートの下部組織なんか?という程にリクルート感を出した職場でフロムエー(この頃はまだ雑誌)を販売する仕事につく。

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