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「タマゴサンド」に教わった事④

「店長!今夜閉店後打ち上げですよ!」バイトリーダーが打ち上げの席を設けたくれた。

私はバイト達に解雇を言い渡せないまま自分だけが出世する事は出来ない。辞表を出す覚悟をしていた。

その夜、閉店後みんなバイトが集まって居酒屋へ行った。「店長!乾杯の音頭お願いします!」私は悔しさと申し訳なさで込み上げてくる涙を我慢するので必死だった。

「店長!早く!」みんなが急かすがグラスを持てないで座敷で正座し拳をつよく握りしめて下を向いていた。

「店長!もぉ分かってますよ!オレたちも解散でしょ?これから店長は何処へ移動なんですか?オレたち絶対に客で行きますよ!」えっ知っていたのか?「何年店長の下で働いたと思ってんすか?店長分かりやすいから!」私は号泣した。涙が止まらなかった。

「申し訳ない。みんなゴメン。」

「店長辞めたりしないでくださいよー!オレたち行くとこなくなるじゃないですかー」

私は頷くしか出来なかった。

「みんなグラス持ったか?今までホントにお疲れ様でした。一方的に沢山助けてもらって感謝している。これから君たちの人生で大変な時は助けに行くから。約束する!乾杯!!!」「乾杯!」「ありがとうございます!」

こうして打ち上げをした。

乾杯って簡単に使っていたがこの時、本当の乾杯の意味を知った。

互いに称える事。これからの検討を称えるという意味が本質なのだろう…


また乾杯しよう

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