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「自由であるために自分でなんでも出来るようになりたい」沢木耕太郎さんクロ現インタビューに思う女性の不自由さ

先ほど終わったNHKクローズアップ現代の沢木耕太郎さんインタビューがとてもよく、また考えさせられたので思ったことを書き留めます。
とにかく70代とは思えない目のキラキラさで、「目の前のことを楽しんで先は考えていない」と言う沢木さんが魅力的。自由に餓えていることを思い出させてくれる良いインタビューです!  

BSでは明日PM5時半から放送予定、NHKプラスでは1/17まで配信されます。

沢木耕太郎さんはユーラシア大陸を横断するバックパック旅行の手記「深夜特急」が有名なノンフィクション作家です。私も夢中で読んだ覚えがあり、若い頃のバックパック旅行志向に少し影響を受けたかもしれません。

今回は、第二次世界大戦中に内蒙古にスパイとして潜入、8年に渡って旅を続けた西川一三の生涯を25年かけて書き上げた沢木さんが、“自由を広げて生きる”尊さについて語ったインタビューです。

以下、私が響いた部分や思ったことを書き留めます。

沢木氏が西川一三に惹かれた理由と、自由に対する思い

沢木さんは、西川さんがパスポートも持たず、何にも守られない「純度の高い」一人旅をする中で、何もかもを自分でする必要があり、調理を覚え、裁縫を覚えていく過程を「一人で生きていく手立てを身に付ける」と表現し、「自分もソロで生きていくことが出来る人間でありたい」と言います。なぜなら、「家事でもなんでも自分で出来たほうが自由になれる、人に縛られないから」と。また、仕事においても「制約されない生き方」がしたいから会社を辞め、選択できる幅を広くする為に努力をし闘ってきたといいます。

「制約されない自由な生き方」に必要なのは女性にとっては家事能力ではない

私は子供の頃から母親に「結婚相手が死ぬかもしれないし、離婚するかもしれないから手に職をつけろ」と言われ、自然に「選択の自由を持つ為に自立して生きていたい」と考えて育ちました。が、出産後子供を身の回りの世話をするうちに、徐々に「家につながれる不自由」に慣れ、親の責任としてすっかり受け入れて毎日をすごしています。

もちろん、それは大人として当たり前なのですが、沢木さんが仰る「自由を持つために必要な家事能力」は「ケア労働の為のスキル」だわ と思い出し、息苦しくなりました。
もちろん、女性にとって「制約されない生き方」に必要なのは、沢木さんが触れられた2つ目の「自立できる収入を得ること」なので、男性も女性も「仕事と家事能力を備えること」が自由には必要、ってことなのですが。

それなりに自立したものの自由ではない現在、ここからどう自由に向けもがこうか。「危険なことをしない」「影響の輪から出ない」状態では得られないことに触れたい、と思い出させてくれるインタビューでした。
沢木さんの最新作と合わせて、「母親になって後悔してる」も読んでみます。


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