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波に身を任せて。

梅雨入り後、眠くてだるくて無気力になった。

大雨の日が何回かあった。

もう無理、寝込む。。

どこも病気じゃないけれど、布団にくるまって嵐が過ぎるのを待っていた。

下水処理場と雨水ポンプ場で職員が場内制御モニターを見守ってる。

溢れないように。

機器の以上を見逃さないように。

ゲート操作のタイミング。

水の流れるラインを切り替える。

ちょっと間違えたら、汚水が溢れだして、最悪機器や設備を壊してしまう。

雨雲の動き、各河川の水位、人員の手配。

何となく空気がピリピリする。

事故があったら、あっという間に農地や家が水に浸かる。

水ってすごい力があるんだ。

暴れると機械や設備を壊して、呑み込んで、システムをダウンさせる。

こんなん管理するの、わたしは無理やなーと思いながら、下水処理場で働いていた。

水の中に含まれている物質を調べたり、微生物のことを知ったり観察している方が好きだった。

大雨が降ると、普段は無人の雨水ポンプ場に人員が配置される。

めっちゃ嫌だった。

ただでさえ、低気圧でだるいのに。

小さな制御室で、いろんなことを気にしながら座ってないといけない。

エンジンの音がうるさい。

締め切った空間に息が詰まる。

わたしが配置されるのは設備が新しいし、男性たちより時間も短い。

ここはまだええよって言われて、そうなんだなとは思うけれど、やっぱしんどかった。

帰って寝たい。

一人になりたい。

静かなところであったかくして休みたい。

そればっかり考えてた。

先日の大雨のとき、それを思い出してた。

しんどかったな。

キツかったな。

怖かったな。

ぐるぐる、ぐるぐる巡っていた。

わたしは弱いな。

贅沢だな。

へなちょこだな。

自分だけのうのうと寝ているのは良くない気がする。

ちょっぴり自分にだめ出しをしてた。

でも、ずるくても今の暮らしがいいと思ってる。

自然のうねりを受けとめるこの体はとても素敵だと思っている。

そのうねりに身を任せて、生きていきたい。

だる重い時も含めて、波に乗って暮らすことが、自分にとっての豊かさじゃないかと感じてる。

今日はお天気良くて、準備していた染め物に取りかかりました。

茜で染めたワンピースが、洗濯物といっしょにそよそよ揺れてる。

その風景が優しくて好きだなと思った。

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