【100.水曜映画れびゅ~】"Living"~"生きる"とは...~
"LIVING"は、現在 劇場公開中の映画。
ビル・ナイ主演、カズオ・イシグロ脚本の本作は、先日行われた米アカデミー賞にて、両氏がノミネートされました。
あらすじ
最期を知り、人生を知る。
1953年、イギリス。
役所の市民課に勤めるウィリアムズは、勤勉な男であった。
毎日毎日 粛々と事務処理を続けるが、その姿勢はどこか無気力にも思えるような姿に映った。
家に帰れば息子夫婦に煙たがられ、妻には先立たれ、孤独を押し殺して日々を送っていた。
そんなある日、彼はがんと宣告される。
余命は、半年。
人生の最期を知った彼は自暴自棄となり、仕事を放り出し、ふらふらした日々を送るようになるのだが、心は全く晴れない。
そんな時、職場の同僚の若い女性マーガレットと再会する。
人生に希望を持って嬉々として生きる彼女の姿を目の当たりにし、ウィリアムズは自分の人生を思い返した…。
そして彼は、人生の最期をしっかりと"生きる"ことを決意する。
"生きる"とは…?
~最期を知り、人生が輝く。~
役所勤めのウィリアムズは、余命宣告を受け、残された時間を懸命に”生きる”ことを決心します。
といっても、”生きる”とはどういうことでしょうか?
余命宣告を受ける前のウィリアムズは、ただ黙々と流れてきた書類を処理する毎日を送っていました。
その姿からつけられたあだ名は、Mr.ゾンビ。
それから余命宣告を受けると、仕事を放り投げて財産を持ち出し、遊び惚ける日々を過ごすことにします。
しかし、いくらお酒を煽っても、彼の心に空いた穴は塞がりませんでした。
そんなある日に会った仕事仲間のマーガレット。
人生に明確な目標を持って"生きる"彼女の姿に感化され、ウィリアムズも残された時間のなかで"生きる"目標を持ち、進み始めました。
"生きる"とは、何か?
それは人それぞれで考え方が違うのかもしれません。
息をしていれば、それで良し。
仕事をコツコツ積み重ねていけば、それで良し。
それも全くもって”生きている”ことには変わりありません。
でも…
それで人生は
本当に輝いているのでしょうか…?
そんな素朴な疑問を、この映画に問いかけれたような気がしました。
原作『生きる』(1952)も観たくなる出来栄え
この作品は、1952年公開の志村喬主演、黒澤明監督の名作『生きる』の再映画化作品。
脚本は、『日の名残り』(1989)や『私を離さないで』(2005)で知られるノーベル賞作家カズオ・イシグロが務めています。
私は原作の『生きる』を未見なのですか、原作を知っている母とこのリメイク作を観に行ってきました。
母 曰く、「ビル・ナイの陰に常に志村喬が見えた」とのこと。
また主演俳優だけでなく、マーガレットの活力のある姿、その他の俳優陣の表情、雰囲気などなど、作品の節々に原作を感じたようです。
仕舞いには原作を思い出しすぎて、家に帰ったら『ゴンドラの唄』を聴き入ってましたね(笑)。
私も本作を観て、黒澤明の『生きる』を近々観たいと思いました。
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お楽しみに!