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24歳、鬱病になる。ー㊶突然の労わり

私24歳にして、今年2023年の1月に鬱病と診断を受けました。

鬱病になった私に起きたことや、そこから立ち直れるにようになるまでの姿を、自分なりに整理して、書き起こしてみたいと思います。

自分のために、そして同じような境遇の人の何かの一助になればよいなと思っております。


前回の記事では、心身ともに限界をむかえながらも、校舎へと出勤していったことを書きました。今回は、そんな日に、突然に優しい声が私に掛けられたことを書き記していきたいと思います。

・・・

駅から出て、校舎に向かう足取りは重かったです。身体はずっしりと重く、まだ出来上がっていないその日の授業資料のことで頭はパンクしていました。

校舎に入ると、上司の講師が授業プリントを整理していました。その校舎では、とりあえず"朝礼後の校舎清掃"が励行されていたのが、かすかな安心材料ではありました。

そして朝礼。一通りの業務連絡が行われると、執行役員の講師が「それと、この後でエリアマネージャーとサブマネージャーの方は、少しお時間を作っていただきたいです。大したことではないですが、共有しておきたいことがりますので…」と言って、朝礼は締めくくられました。

朝礼後には掃除に取り掛かりました。教室内の机を一つひとつのアルコール消毒。その身体は重たく、「このまま床に倒れ込んでしまえば、今日は帰れるだろうか」と頭の中で考えながらも、なんとか校舎清掃を終えました。

そしてデスクに戻り、授業資料の制作を猛ピッチで進めました。その甲斐あって、なんとか17時からの授業には間に合いそうな目途をつけることができました。

そうやって一区切りついた時でした。1人の先輩社員が、私に声を掛けてくれました。その先輩は、私の業務関係の指導講師であり、会社ではサブマネージャーを務めている方でした。

「最近、大変なの?」

そう聞かれた私は、苦笑を浮かべながらも「はい」と素直に答えました。

「そうなの!?そんな風には見えなかったけどな」と、先輩は驚いた顔をして言いました。

「何がそんなに大変なの?」と、先輩は聞き返しました。

「シフトも変わって…休日出勤も増えましたので…仕事のリズムが変わってしまったのがあって、最近は仕事詰めで、休める時間がないんです…」と、私は先ほどと同じく素直に答えました。

「そうか…」と先輩は呟きながら、一度天を仰ぐような素振りを見せました。

「まあ…今は繁忙期だから、色々と根詰まることはあるよ。それでもしんどかったら、半休でも取って休めばいいよ。とりあえず明日は休みなんだし、今日頑張ってゆっくり休みな」と先輩は言いました。

突然の労わりの言葉に私は驚きましたが、嬉しくも思い、少し心が軽くなった気がしました。

その後、授業をこなして、終礼となりました。授業の内容は、急ごしらえのこともあり、全くもって出来は良くありませんでした。しかし私は、とにかく授業を乗り越えただけでその日は良し、という心持ちでした。

終礼の最後には、専務を務める社員の方が次のようなことを言いました。

「最近は暑くもなり、色々と仕事も忙しくなっていることもあり、体調を崩している先生も多いらしいです。なので、今日から『23時には帰ろう』キャンペーンと題して、皆さんできるだけ早く退勤するようにしてください。そしてどうしても仕事がある場合は、タイムカードの打刻は気にしなくていいので、残業して、きっちりとその時間を報告してください。」

唐突な職場改善のお達しでした。これまで私が違和感を抱いていた、”退勤打刻”問題まで言及するというのは、新入社員ながらも、思い切った伝達だということがわかりました。

先輩社員の労わりの言葉と、専務の職場改善政策。心身の限界をむかえていた自分にとっては、あまりにもベストタイミングな出来事でしたが、その甲斐あって私の会社への信用度は少し回復しました。


記事のバックナンバーなどは、こちらのマガジンでまとめていきます。