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水曜映画れびゅ~

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毎週水曜日に投稿する映画レビュー記事のまとめです。
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#映画評

【43.水曜映画れびゅ~】"Birdman"~激戦の第87回アカデミー賞 作品賞受賞作品~

"Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)"は2014年公開の映画で、『バベル』(2006)や『レヴェナント: 蘇えりし者』(2015)で知られる アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品。 現在(2021/10/13)、Amazonプライムにて視聴可能です。 あらすじ激戦、第87回アカデミー賞本作が公開された2014年。 その2014年シーズンの表彰にあたる第87回アカデミー賞の作品賞の一覧が以下になります。

【39.水曜映画れびゅ~】『パンケーキを毒見する』~1mmもこの映画を観る気のないあなたに観てほしい~

『パンケーキを毒見する』は現在公開中のドキュメンタリー映画。先日退陣を表明した菅義偉内閣総理大臣の実態に迫った作品です。 作品情報菅義偉とは何者か?安倍前首相が体調不良を理由に総理の座から退いたのが、今から約1年ほど前の出来事。 それに伴って行われた総裁選において「総裁選には出ない」という前言を撤回して出馬した菅義偉前官房長官が圧勝し、第99代内閣総理大臣 菅義偉が誕生しました。 就任当時は、携帯電話料金の値下げや不妊治療の援助を推進。 またパンケーキ好きや歴代首相と

【38.水曜映画れびゅ~】"Exit Through the Gift Shop"~アートとは一体何か?~

神出鬼没のストリート・アーティスト バンクシー。 ストリートはもちろん、時には美術館に、時には紛争地域に現れ、数々の作品を残しています。 つい最近もイギリスに現れ、さらにそのメイキング映像をインスタグラムにて公開して話題になりました。 そんなバンクシーが監督したドキュメンタリー作品をご存じでしょうか? その名も"Exit Through the Gift Shop"。 2010年公開で、アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートもされました。 作品情報ストリ

【36.映画れびゅ~】"Bombshell"~日本も他人事じゃない!~

先週の記事で、現在公開中の『プロミシング・ヤング・ウーマン』を紹介させてもらいました。 この記事において男性の女性蔑視的な意識のことについて触れたのですが、そのことに関連した映画をもう一つ思い出したので今週はそちらを紹介させていただこうかと思います。 その映画は"Bombshell"。 2019年公開で、アカデミー賞で日本人メイクアップアーティストのカズ・ヒロさんが2回目のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を本作で受賞したことで日本でも話題にもなりました。 あらすじ実際

【35.水曜映画れびゅ~】"Promising Young Woman"~見つめ直すべき男性優越主義~

"Promising Young Woman"は、今年のアカデミー賞で脚本賞を受賞した作品です。 日本では先月から劇場で公開されています。 あらすじ女性のモノ化この作品の主題は「レイプ」。 主人公のキャシーは大学生時代に起きたある悲惨な事件をきっかけに、レイプ予備軍である男たちに復讐を仕掛けるのが本作のモチーフとなっています。 そんなレイプ予備軍の男たちは女性を人として扱っているようには思えません。 そういった「女性のモノ化」という意識が古くから社会に根付いており、

【32.水曜映画れびゅ~】"Call Me By Your Name"~原作を読んでから、観てみました。~

"Call Me By Your Name"は2017年公開の映画で、アカデミー脚色賞受賞作品です。 あらすじ本棚に眠らせていた原作本2年半前、蔦谷書店で暇をつぶしていた時にこの洋書に出会いました。 当時はたいして映画に興味を持っておらず、この作品がアカデミー賞を取ったことなど知らなかったのですが、思わずジャケ買いしました。 しかし読んでみると、かなり英語のレベルが高く、読み切るのは無理だと早々に見切りをつけて本棚に眠らせることにしました。 そうしてこの本が眠っている

【30.水曜映画れびゅ~】"The Assassination of Jesse James"~ブラッド・ピットの隠れすぎた名作~

『ジェシー・ジェームズの暗殺』(原題”The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford”)は、2007年公開のアメリカ映画。 ブラッド・ピットの映画会社PLANB製作の作品です。 簡単なあらすじアメリカ西部開拓時代に実在した強盗団の頭"ジェシー・ジェームズ"。 タイトルからもわかるように、そのジェシー・ジェームズがボブ・フォードに暗殺されるまでの日々を描いた作品です。 ブラッド・ピットお気に入りの一作

【28.水曜映画れびゅ~】"The Father"~アンソニー・ホプキンスによるアンソニー・ホプキンスのための映画~

"The Father"は、先月から日本で公開されているイギリス映画です。 今年のアカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされ、主演男優賞と脚色賞を受賞しました。 あらすじきっと泣いてしまう。認知症を患ったアンソニーを中心に展開する本作。 弱りゆく自分を認めない頑固で横暴な老人アンソニーは、娘のアンに好き勝手振る舞います。 物語前半ではそんなアンソニーに対してヘイトが溜まってしまいまが、物語が進むにつれて彼の違った側面が顔を出していきます。 それはシンプルな”弱

【27.水曜映画れびゅ~】"Once Upon a Time in... Hollywood"~【Netflix配信解禁記念!】映画好きになったきっかけ~

今回紹介する映画は"Once Upon a Time in… Hollywood"。 私、この作品がとてもとても大好きです! どのくらい好きかというと… 実はこの作品を観たのをきっかけに映画が好きになりました! 超クールで痛快にユーモラスなこの作品を観て、映画の魅力と面白さを体感し、そこからどっぷり映画にハマって今に至ります。 そんな大好きな作品をいつか記事にしてみようと思って下書きを用意していたのですが、なかなかタイミングが難しくて今まで出せずにいました。 しか

【26.水曜映画れびゅ~】"The Breakfast Club"~「スクールカースト」を描く映画~

"The Breakfast Club"は1985年公開のアメリカの映画で、現在(2021年6月9日)Amazonプライムで視聴可能です。 あらすじ※次の動画は、日本語字幕のない本編映像の一部です。 (公式のトレーラーが見つかりませんでした…) 「スクールカースト」本作は、1980年代におけるハリウッドの青春映画ブームの中で最も有名な作品の一つとされています。 特に主題歌となったSimple Mindsの"Don't You (Forget About Me)"は、いま

【24.水曜映画れびゅ~】『街の上で』~美しき「意味のないダイアローグ」~

『街の上で』は『アイネクライネナハトムジーク』(2019)や『his』(2020)の今泉力哉監督の最新作で、現在公開中です。 noteでいろんな方がオススメしていたので、気になって先日観てきました。 あらすじ「意味のないダイアローグ」「意味のないダイアローグ」は、クエンティン・タランティーノがよく用いている手法としても知られ、『レザボア・ドッグス』(1992)の「チップを払うかどうか」のやりとりや『パルプ・フィクション』(1994)の「パリでクォーター・パウンダー・チーズ

【22.水曜映画れびゅ~】"Magic Mike"~これぞ我らのマシュー・マコノヒー!!~

"Magic Mike"は2012年公開の映画で、現在(2021年5月12日)Amazonプライムで配信されています。 あらすじテキサスが生んだ大スター "マシュー・マコノヒー"男性ストリップクラブが舞台ということで、色気満載でムキムキの男たちがわんさか出てくる本作。 主演のマイク役チャニング・テイタムやアダム役アレックス・ペティファーをはじめとする男優陣の肉体美には、思わず目を奪われてしまいます(笑) しかしそんな俳優たちを差し置いて本作で最も輝いていたのは、ストリッ

【20.水曜映画れびゅ~】"Two Distant Strangers"~最も恥ずべきことは人の痛みへの無関心である~

"Two Distant Strangers"は2021年からNetflixで配信されている短編映画で、先日行われた米アカデミー賞にて短編実写映画賞を受賞した作品です。 4月22日放送の「町山智浩のアメリカの今を知TV In Association With CNN」(BS朝日)でも紹介されていました。 あらすじ※日本語字幕のないトレーラーです。 ジョージ・フロイドの死に触発されて本作の主題は「黒人に対する白人警官の理不尽な暴力」。 近年注目を集めるBlack Liv

【19.水曜映画れびゅ~】"The Trial of Chicago7"~1960年代のアメリカを描く映画たち~

"The Trial of Chicago 7"は昨年11月からNetflixで配信されている作品で、今年の米アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされています。 あらすじ時代背景を知れば、もっと面白くなる!本作の内容は、ハリウッド映画によくある"Based on the true event"超硬派なゴリゴリの社会派法廷映画です。 それを『ソーシャルネットワーク』(2010)、『マネーボール』(2011)、 『スティーブ・ジョブズ』(2015)などで脚本を手掛けた