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優しく、みんなに好かれたあの人へ

 ダチョウ倶楽部の上島さんがなくなりましたね。こういうニュースを見ると18歳の時、同じ亡くなり方をした友人を思い出します。

 彼はいち早く社会に出て働いていて、すごく大人びていました。僕らの話もよく聞いてくれて、すごく優しかった。僕らは学生だったけど、彼は社会に出ていることもあって僕らは彼が強い人間だと思っていた。だから頼ってばかりだった。

 今思うと、18歳なんてまだまだ子供でそんな歳で1人で働き出して悩みがなかったわけはない。きっと彼も相談したいこともあっただろう。だけどそんな素振りも見せず、ある日突然この世を去ってしまった。今でもあの時のことは後悔している。僕らがもっと彼の話を聞いていればと。

 彼は本当に優しく、人に好かれた人だった。そして上島さんもお会いしたことはないけど同じように周りに慕われていたのだと報道を見ると感じる。だけどそういう人はきっと孤独なのだ。頼られて、誰にも甘えることができないから。

 だから僕らはなるべくそんな人に甘えないように、そんな人の孤独に気づいてあげられるようにならなきゃいけない。だけどそれはとても難しい。なぜなら彼らは強くもあって、僕らにそんな姿を見せないから。

 じゃあ、どうすればいい?このことに対する答えは今でも僕の中にはない。だけど、なるべくどんなに仲の良い相手にでも自分の主張ばかりしないようにしようと心がけている。それが役に立つのかはわからないけどそれくらいしかできないから。

 いつか空で彼に会えたなら、僕はその優しさと強さを讃えたい。そして甘えすぎたことを謝って、彼の中にあった苦悩を聞いてあげたいと思っている。今でも忘れることはできないあの優しい笑顔。時折、無性に会いたくなる。だけど、もう少し先になるかな。その時になったらまた一緒に遊ぼう。

 上島さん、ご冥福をお祈りいたします。

 

僕は37歳のサラリーマンです。こらからnoteで小説を投稿していこうと考えています。 小説のテーマは音楽やスポーツや恋愛など様々ですが、自分が育った東京の城南地区(主に東横線や田園都市線沿い) を舞台に、2000年代に青春を過ごした同世代の人達に向けたものを書いていくつもりです。