小説「リーマン救世主の憂鬱」 第1話
同期の谷山が会議室から出てきた。予想していた通り、その表情には怒りと落胆が入り混じっていた。
後ろに続く上司の山園は無表情だが、いつもより少し顎が上がっているように見える。「若造が。言ってやったぜ」的な雰囲気が滲みでいて、会議は山園の圧勝だった事が聞くまでもなくわかった。
谷山。気持ちはわかるよ。お前が会議室に入る前に語った会社の体制やアルバイトに対する待遇の悪さは俺も思うところだし、お前の提案は正しい。正義だ。
それに、上司の山園はクソみたいにつまんなくてめんどう