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念願のファイナル進出でも惨敗したピッチコンテストから創業期のベンチャーが手繰り寄せた縁とは

クオトミー創業から2年と少しが過ぎた頃、私は勤務医と週末起業を並行する生活から、少しでも事業だけに集中できる方向に進めるような機会や自信を得たくてガムシャラになっていたことをよく覚えています。そんな転換期において、事業や経営に自信を持つきっかけの一つになったのが2020年に開催されたHealthtech/SUM 2020のピッチコンテスト「Healthcare Startup Pitch Competition」です。

本イベントは例年、予選審査などを経て計8社がPich Finalに臨む大会形式でした。ただ、クオトミーが参加した2020年は新型コロナの影響で日本経済新聞紙面上でのオンライン投票による投票によってFinal進出に進む枠が設けられていました。Finalでピッチの機会を得たかった私たちは、メンバーや知人、そして会員ユーザーである医師の方々に想いを伝え、多くの方々の投票のおかげでFinal出場のチャンスを掴み取ることができました。

ところが、喜びも束の間。Pich Finalには、クオトミーより先のフェーズを進む企業ばかりが選出されていました。資金調達やグロースも順調で、起業したばかりの私から見れば「猛者」ばかりが集まっていたイベントでした。Final進出で喜んでいた私たちでしたが、ピッチの結果は惨敗。ひどく落ち込んだ思い出として脳裏に刻まれています。

ただ、もちろん表に出たことで得たものもあります。それが投資家からの事業に対する具体的なフィードバックです。クオトミーとしては初めて投資家とのコミュニケーションを図る機会となりました。それまでは、自分や周りの医師からのフィードバックのみで事業の方向性を模索していました。投資家がどう見るか、それを知る機会を得られたことで、何をマイルストーンとして設定すれば良いのか、見えなかった目指すべき北極星が見えるような感覚でした。

そんな環境が後押ししてか、いつの間にか事業やスタート経営に関する知見が深まり、おのずと次のステージを目指すようになりました。それが2021年9月頃です。ついに勤務医常勤を辞め、事業成長へフルコミットする決心をしました。フルコミットするからにはさらなる資金が必要になります。そこで、惨敗だったピッチコンテストをきっかけに出会った投資家たちに声をかけていきました。彼らは当時の私やサービスを知っていてくれたので、そこからの成長角度を一番理解している投資家でした。

サービスとしてはピボットしていて不確実性も高く、まだまだ仮説検証しなければいけないことが山のようにあります。しかし、彼らは投資してくれました。もしかしたら、私たちの諦めの悪さを評価してもらったのかもしれません。とにかく、あの「惨敗したピッチコンテスト」が、私たちと投資家を引き寄せてくれた縁を運んでくれました。

今回は「思いがけずプラスになったあの経験」について書いてみました。クオトミーはこれからも、失敗も糧になると信じて前向きに事業を拡大させていきます。今後の成長にもぜひ期待していただけると嬉しいです。

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