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高い声を出しやすくする練習法

 レッスンの中で、生徒の皆さんから頂くご要望の中で最も多いものの一つが、音域を広げていきつつ、高いキーの歌を楽に歌えるようになりたい、というものです。裏声に逃げてしまって、力強さが出せなくなってしまったり。力づくで無理矢理に出そうとして、すぐに疲れてしまったり。思い当たる節のある方も多いのではないでしょうか。

 そんな場合、まず私がレッスンでよく生徒さんにお話しするのが、高い声が出したいからといって、高い音域でばかり発声練習をするのはナンセンスだということです。無理して高い声を出し続けると、声帯を痛めたりするリスクも高まりますし、声帯を鳴らしていく上での悪いクセがついてしまう可能性だってあります。まずは自分が楽に歌うことができる音域で、声帯の鳴らし方の質を上げることの方を優先させましょう。そうすれば自然と高い声を出すためのきっかけも掴めるようになるはずです。

 また、高い音を出すためには、声帯を締めることで空気の通り道の幅を狭くしていく必要があります。管楽器は細いほど高い音が鳴り、太いほど低い音が鳴りますよね。あのイメージです。声帯を締める動きのしやすい声帯のポジション(ナチュラルな位置)を理解し、良いあんばいで力を加えていきながら、しっかりと息を通過させて声帯を鳴らしつつ、その声帯を締める動きをする筋肉を鍛えていくことも同時に求められます。

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 もちろん力づくで、勢いに任せて、無理矢理に高い音を出そうとしていてはいけません。無駄な力が入りにくい、変な勢いがつきにくい、かつ、負担の少ない発声法から始めなくてはいけません。となると、裏声を使ってのトレーニングが非常に有効になってきます。裏声であろうが、表の声であろうが、ハーフトーンボイスであろうが、声帯を締めて空気の通り道を細くして高い音を出す、という基本の動きはすべてにおいてほぼ同じです。その三種類の発声法で、最も高い音が出しやすく、かつ負担が少ないものが裏声ですので、裏声を使ってどんどん高い声で歌っていくことをオススメします。裏声で高い声を鳴らし慣れていくことで、表の声でもハーフトーンでも、リラックスして声帯を締めることがやりやすくなり、高い音も鳴らしやすくなるはずです。

 もちろん、そんな裏声にも正しい発声法があります。いくらたくさん練習しても、間違えた発声になっていては本末転倒ですので、トレーナーにしっかり確認してもらってくださいね。

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