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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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2020年9月の記事一覧

物質としてのcookbook、荷役馬としてのcookbook

外出自粛で料理本は売れたのか その2 シドニー・モーニング・ヘラルド紙の8月22日付け記事から、オーストラリアでは今年上半期の外出自粛期間にcookbookの売り上げが大きく伸びたという記事を読んでいます。 前回のストーリーでは、新型ウイルスのパンデミックというSF小説のような非日常生活のなかで、どうして料理本が売れたのかということを、実際のcookbook著者へのインタヴュー記事をもとに考えてみました。 今日は、ロックダウンの期間中の実際のcookbook売り上げランキ

ロマンス+サイエンス=ベイキング

外出自粛で料理本は売れたのか その1今日はオーストラリアの話。 オーストラリアでは新型コロナウイルスの流行で、料理本の売り上げが増加しているのだそう。 ぼくは料理本というのは「読む楽しみ(知りたいという欲求)」「作る楽しみ(試してみたいという欲求)」「食べる楽しみ(本能的欲求)」と3つの楽しみ(欲求)を同時に満たしてくれるアイテムだと思っています。 そしていま、皮肉なことに外出自粛を余儀なくされ、比較的時間の余裕もでき、さて家での過ごし方をどうしようかと考えたときに、雑

気分が良くて何が悪い?

断腸の思いで腸を守っていくひとにおすすめのcookbook 先日、安倍首相が持病を理由に辞任しました。 潰瘍性大腸炎という同じ病気を抱える身としては一刻も早い彼の快方を願ってますし、彼の辞任発表後に散見されたこの病気への無理解、差別、ヘイト的発言には激しい憤りを感じましたよ。 とはいえ、安倍首相在任の7年間であまりに政財界の腐敗臭がひどくなり、拝金主義がはびこり、貧富の差が進んだことをぼくは忘れていない。 政治のことと、内臓のことは別なんです。 ということできっちりと

集まることがむずかしくなった時代に

ヴェネツィア風おもてなし料理のcookbook 何事もタイミングが大事だなぁと思ってしまいます。 本日ご紹介するのは今年の7月に発売された、多人数をもてなす料理のcookbook。 自宅に友だちを呼んでディナーパーティーなんてできない時代に出版が重なってしまったのは、このcookbookにとってつくづく不運だなぁ。 イギリスの日刊紙「デイリー・テレグラフ」のウェブサイトに8月11日付けで掲載されたレヴュー記事から見ていきます。 *** 続きはぜひククブクのページでご

これがわたしのトレジョー製品の使いかた

スーパーマーケットを愛しすぎてできたcookbook マイバッグ持参が当たり前になって、こういうロゴの入ったトートバッグをよく見かけるようになりました。 ……まちがえた。 こっちだ。 帆布製のしっかりしたトートバッグから、ナイロン製のエコバッグまで、柄も種類もいろいろありますが、どれもアメリカのスーパー「トレーダー・ジョーズ」が発売しているバッグなんです。 トレーダー・ジョーズは、1967年にカリフォルニア州パサデナに1号店が誕生した大型スーパーで、オーガニック食品や

どこで壊れたの oh フレンズ

いまさら昔のドラマの料理本はむずかしい 海外ドラマは好きなので、Netflixでよく観ているのです。 最近は『スノーピアサー』のシーズン1をようやく観終えました。 シナリオ的に映画版のほうが断然優れていると思ってても、最後に「彼女」が登場してシーズン2につなげるとか、気になってやっぱり観てしまうんだろうな。 それにしても、最近はこうやって気軽に海外ドラマが観られるので良い時代ですよね。 ぼくが子どものころは80〜90年代に当たるのですが、『V』とか『ER』とかを家族で

ダンプリング、ダンプリング、ヤッホー、ヤッホー

包む料理がどうしても好きなあなたへ 8月にモーリシャス諸島をおそった、悪夢のような重油流出事故。 これを書いている現在、座礁船の一部を沖合の海中に沈める作業がはじまっています。 海中生物の隠れ家にするつもりなのかな? 環境的には大丈夫なんでしょうか? 日本企業が声かけをして、クラウドファンディングによる支援もはじまっています。 この夏、思いがけないところから注目を集めることになったモーリシャス。 モーリシャス料理のcookbookってないのかなと調べていたら、こん

ふたり合わせてミャンマーだ

なかよし姉妹によるミャンマー料理のcookbook ずっとほしいと思っていた誠文堂新光社の『世界の豆料理: 中東、アフリカ、米大陸、ヨーロッパ、アジアの郷土色あふれる120のレシピ』を、この夏ついに購入しました! レバノンのフムス、ブラジルのフェイジョアーダ、インドのドーサといった各国定番の豆料理から、 タラの白子を使った白いフェイジョアーダ「フェイジョアーダ・デ・フェイジョン・ブランコ・コン・セメン・デ・バカリャウ」のような創作レシピまで、およそ120種類のレシピが掲載