マガジンのカバー画像

ククブクの味見

626
海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで… もっと読む
運営しているクリエイター

2019年1月の記事一覧

詩と、料理と、出版に生きて35年

ダニエル・ハルパーンのcookbookが復刊ニューヨーク州のシラキュース生まれで、『Tango』や『Something Shining』など9冊の詩集を出しているダニエル・ハルパーン。 彼の詩は、雑誌「ニューヨーカー」などにも掲載されているんです。 彼、実は詩人であると同時に、cookbookを多く手がけるニューヨークの出版社「エッコ」の創設者でもあるんですね(現在はハーパー・コリンズ社のいちレーベル)。 そんなダニエルが、1985年に出版したcookbook『The

その胸肉にエルボードロップを叩きこめ!

アメリカのプロレス団体WWEが料理本をリリースかつてJ-SPORTSに加入していたときにちょっとだけ観た程度で、特別プロレスに詳しかったり、好きだったりするわけではないのですが。 アメリカのプロレス団体「WWE」が、3月に公式料理本をリリースするようです。 以前にククブクで自転車競技の「ツール・ド・フランス」のcookbookをご紹介したときは、あれは確か23日間に及ぶ大会期間に選手たちが食べる食事のレシピを掲載したものだったと思うのですが、 WWEのcookbookっ

やがてビーフの代わりとなるもの

インポッシブル・バーガー2.0のお味はいかに!?すでにアメリカでは広く出回っているベジーバーガー。 環境問題などへの配慮から、牛肉を一切使わず、小麦や大豆などの植物性タンパク質から本物そっくりに作られるこのベジーバーガーは、数多くのスタートアップ企業を生み出してもいます。 ビル・ゲイツやレオナルド・ディカプリオが出資しているビヨンド・ミート社の「ビヨンド・バーガー」や、インポッシブル・フーズ社の「インポッシブル・バーガー」がその代表的なところ。 そして先日開催されたコン

朝食にまつわるエトセトラ

2018年に役立ったcookbook その3シカゴのレストランのオープンの様子を追ったドキュメンタリー映画『グレースのために』を監督した、アメリカのフードジャーナリスト、ケヴィン・パン。 彼が昨年12月31日付のテイクアウトに書いた「2018年にもっとも役に立ったcookbook」の記事を読んでいってます。 前回のストーリーでご紹介したのは、フライパンでの食材の焼き方やソース作りに特化したcookbookの『Searing Inspiration: Fast, Adapt

金曜日のcookbookランキング

#104 食べものと自然の新・解体新書新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 1月最終週のランキングをお伝えします。 今週は、レキシのライブ『レキシ TOUR 2019 まんま日本ムキシばなし』を観るために、横浜アリーナへ初遠征してきました。 ぼくにとっては数年前のPerfume@さいたまスーパーアリーナ以来、久しぶりのライブ。 人混みが嫌いなので、こういう賑やかな場所はサッカー観戦ぐらいでしか出向かないのですが、このライブばかりは1

フライパンの使いこなし、おいしい料理の近道

2018年に役立ったcookbook その2アメリカのフードジャーナリスト、ケヴィン・パンが昨年12月31日付のテイクアウトに書いた「2018年にもっとも役に立ったcookbook」の記事。 これを読んでいってます。 前回のストーリーでケヴィンが挙げたのは、マーク・ヴェトリの『Mastering Pizza: The Art and Practice of Handmade Pizza, Focaccia, and Calzone』。 ピザおたくにはたまらない、生地の水

くさい人間より考えるピザになれ!

2018年に役立ったcookbook その1今年の春に発売される新しいcookbookの情報も少しずつ耳に入ってきている今日このごろ(ハーディー・グラント/クァドリールのラインナップとか、ちょっと魅力的)。 ですが、なんですが、今日はちょっと視点の違う記事を見つけたのでシェアしたいと思います。 アメリカのフード情報サイト「テイクアウト」に12月31日付で掲載されていたこの記事。 文章を書いているのは、かつてLucky Peach誌でアメリカ・インディアナ州の刑務所の食事

料理本は歴史と文化の目撃者

cookbook作家はみな文化人類学者だイギリスの日刊紙「ザ・ガーディアン」に、インド出身のライター、ケナン・マリクの料理本についてのコラムが掲載されていました。 ケナンは神経生物学と科学史を学び、多文化や多元的共存、人種や移民などについても著作がある人物。 優れた政治的著作に与えられるイギリスのオーウェル賞にもノミネートされたことのある彼が、いったいどのようにcookbookを語るのでしょうか? *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

料理への興味、それはヒップホップの矜持

ヴィーガンcookbookを出したいウィル・アイ・アムラッパーで料理好き、cookbookを発売している人物といえば、マンチーズのフード番組でも活躍しているアクション・ブロンソン。 そして昨年cookbookを発売して話題になった、マーサ・ステュワートとも親しいスヌープ・ドッグなどがいますよね。 彼らに続く3匹目のドジョウになれるんでしょうか? ラッパーで、ヒップホップグループ「ブラック・アイド・ピーズ」のウィル・アイ・アムが、ヴィーガン向けのcookbookを発売した

金曜日のcookbookランキング

#103 紅茶を愛したスパイ新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 1月第3週のランキングをお伝えします。 先週から今週にかけて、久しぶりに美術館やギャラリーをまとめて回りました。 観てきたのは、 ・東京都写真美術館《建築×写真 ここのみに在る光》《小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15》《マイケル・ケンナ写真展》 ・エスパス ルイ・ヴィトン東京《ヘスス・ラファエル・ソト Pénétrable BBL Bleu》

料理の「精神」はすべてのひとに開かれている

だれもがファインダイニングを経験できるcookbook北欧料理のシェフといえば、いままでククブクではレネ・レゼピやマグナス・ニルソン、フレデリク・ベルセリウスなどをご紹介してきましたが、 このひとは初めてかもしれません。 デンマークのコペンハーゲンにあるレストラン「ガイスト」でシェフを務めているボー・ベック。 今日は彼がちょうど1年前に出したcookbook『In My Blood』をご紹介したいと思います。 エスクァイアのウェブサイトに今年1月9日に掲載された記事を

お弁当箱は究極のモバイルデバイス

お腹もふくれるインド料理のcookbookおせちに飽きたらカレーもね。 この時期にこれほどぴったりな七五調もないですよね。 今日は今年最初のインド料理のcookbookをご紹介したいと思います(ちょっと遅いくらい?)。 ポートランド・プレス・ヘラルド紙のレシピ記事をもとにお伝えします。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

本日、ククブクが2歳になりました

記念に『Salt, Fat, Acid, Heat』を1名様にプレゼントおかげさまで本日1月15日をもちまして、ククブクは2周年をむかえました! 2016年から気が向いたときにcookbookのレビュー記事を書いていたので、正確には2年以上が経っているのですが、Mediumのパブリケーションとしてきちんと運営していこうと決めたのが、2017年の1月15日。 当初はブックレビューや自分で作った料理のレシピなどを載せていたのですが、ウェブ上に海外の料理本についての日本語の情報

イッツ・タイム・トゥ・クック、ユナイテッド

米航空会社が機内食のcookbookを発売cookbookを出版するのは、料理家やレストランシェフだけではありません。 ククブクではいままでにファッションブランド「ミッソーニ」が出したcookbookや、 スミソニアン博物館が出版したcookbookなど、異色のものも数多くご紹介してきました。 そして本日ご紹介するのは、アメリカのユナイティッド航空が出したcookbook『United Polaris Cookbook』です。 いったいどんなテーマのcookbookな