純セレブスピーカーで聴く!音源マガジン 第7号 2020年8月12日
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民族音楽を聴いておうちで世界旅行をする②
先号に続いて民族音楽を聴いて世界旅行をする続きです。
民族音楽というのは商業化されづらいので耳馴染みのないものが多いのは確かです。
商業化された民族音楽を指す時、「ワールドミュージック」ということがあります。民族音楽に関心がある時、調べると必ず「ワールドミュージック」というジャンルにぶち当たります。
結論からいうとワールドミュージックは他文化の人でも聴きやすくした民族音楽風の音楽です。それは言い方は強引ですが、「観光地の土産物」みたいなものです。(もちろん土産物が悪くないのと同じでワールドミュージックがだめだというわけではないです。)
では、ワールドミュージックではない本場モノ民族音楽を自宅で聴くにはどうしたら良いのでしょうか。YouTube動画をのぞくそれ以外の方法が2つあります。
その1 図書館で借りる
実は図書館の記録、文献や資料が役に立ちます。地域の催事や祭りの歴史などがまとめたものがあり、その中に祭りの動画や音楽が聴けるものがあります。たぶんどこの地域でも収められているのでこれを使うのです。また、そこそこ大きな図書館ならば世界の民族音楽のCDも膨大に収蔵されています。
私の近所なら愛知県図書館です。ここには民族音楽のCDがたくさん収められています。もちろん無料で借りられます。
その2 CDショップで買う、あるいはダウンロードする
ここには問題があります。そもそも民族音楽を扱っているショップが非常に少ない。ネットならありそうですが、検索にヒットするサイトは「ワールドミュージック」か「ヒーリングミュージック」なのです。ほぼ商業化されたジャンルでヒットしますが、現地の音楽って感じではないです。知識やノウハウがないと検索にすらヒットしない。困ったものです。
音の良い民族音楽CDの見つけ方
また図書館やショップで民族音楽のCDを見つけたとしても、一体どんなものが音が良いのか分からないと思います。そこで音の良い民族音楽CDの見分けかたを示しておきます。
CDレーベルで選ぶ
とりあえず、CDレーベルで判断する。これが一番確実です。レーベルとはCDを扱う目印みたいなものです。複雑なことは割愛しますが、録音してCDリリースをする会社と思って良いでしょう。
最近はサブスクリプションが主流になりつつあり、CDレーベルで選ぶことはあまりしない、しにくいかもしれません。
とはいえ今でもレーベルによって録音や音楽に個性や偏りがありますので、判断材料になります。
それではそのレーベルの紹介です。
音の良い民族音楽のCDレーベル その1〜ノンサッチ・エクスプローラーシリーズ〜
ズドンとこれです。
公式サイトはこちら
ノンサッチというレーベルはアメリカのマイナーレーベル。設立初期は現代音楽と民族音楽を中心にリリースしていました。
日本の(コアな)音楽ファンに認識され出したのは、おそらくクロノスカルテットやスティーヴ・ライヒの録音からでしょう。
以下ノンサッチのエクスプローラーシリーズの中から純セレブスピーカーで聴くと楽しいびっくりするおすすめ音源を紹介します。
韓国のパンソリ。録音は1972年アメリカ、ワシントンD.C.現地録音でないのが残念ですが、声の震わせ方と打楽器撥弦楽器のリアルさは驚きます。紛れもなく純セレブスピーカー向き。
ガムランとケチャを聴くならこれを筆頭に挙げます。デジタル録音で音が良いことと現地での生録音というのが決め手です。バリの音楽は少し荒々しいのですが、そこが魅力ですね。
ペルシャの音楽も日本では滅多に聴けないので聴くだけでも価値はあります。録音は1973年、ミシガン州、アン・アルボアなので現地ではないので残念ですが、むしろ録音は安定しているので良かったのかもしれません。
先回、ブルガリアン・ヴォイスの動画を紹介しましたが、音楽としてじっくりと聴きたいのなら、こちらです。
ブルガリアン・ヴォイスのレコードやCDはいろいろ聴いてきましたが、録音と演奏が共に素晴らしいのはこれだと思います。
録音:1972年、ジンバブエ [現地録音]
純セレブ片岡祐介さんのおすすめ、ショナ族のムビラ。ムビラは親指ピアノともカリンバとも言います。
聴いているとなんとも気持ちの良い響きがします。人の声も開放されていて、いかに日本に住んでいると抑圧されているか、よくわかります。このアルバムは本当に素晴らしい。
録音 1968年6~7月、ペルー南部 [現地録音]
アンデス民謡がメジャーなのでペルーの音楽は聴き馴染みがあると思います。これは録音が秀逸です。
録音:1975年、ケニア、タンザニア[ケニア、タンザニア]
現地録音にハマり出したら、これ。(ハマる人がいるかどうかはわかりませんが)
祈祷と悪魔払いの時の音楽もありますが、これを聴く人ってどれだけいるか?という気はするのですが、純セレブスピーカーで聴くと、リアルさに驚きます。ここはケニアか?と思うほどです。
録音:1976年、アメリカ
宮田耕八朗(尺八)
日本の伝統音楽の録音もありました。これは残念ながら日本でなくアメリカでの録音。
音は確かに素晴らしいのですが、不思議なことに聴いていると日本人的な感覚と少しずれたものを感じます。
類推するに、録音した場所はアメリカ、録音した人はアメリカ人だからではないかと思いますが、真相はいかに。(プラセボのせいかもしれませんが)
ノンサッチだけでずいぶん長くなってしましました。民族音楽の音源、次回に続きます。
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