見出し画像

【エッセイ】ハンプティ・ダンプティとメリーポピンズ的世界について僕が考えたこと

 今日は天気が良かった。冷たく乾いた空気の中を太陽の光が透き通ったレースのカーテンみたいに優しく揺れる。そんな気持ちのいい一日でした。

 そう感じた理由としては、仕事を休んだということが大部分を占めているんですけどね。毎日仕事を休みたい。日々、苦行みたいな通勤と仕事を繰り返していて、いったいどれだけの功徳を積んでいるんだろう、僕は。そろそろ悟りを開いて輪廻転生から解脱してもおかしくない。


 今日は天気が良いのにも関わらず、傘をさして歩いてみました。そうです、私が変なおじさんです。

 別に僕にしか感じられない幻の雨を見てたわけでもないし、涙に暮れて今日の天気は涙雨なんて言いたいわけでもないんです。もちろん頭が狂ったわけでもありません。


 僕が太陽の光の下、傘をさしていたわけは単純に傘を干してやろうと思ったから。そして、ビニール傘越しに見る晴れの日の景色を知りたかったから。

 それなりに風も吹いてたから傘で空を飛べないかな、とも期待してました。メリーポピンズみたいに。そうです、僕は魔法使い(ど、ど、童貞ちゃうわ!)


 さすがにメリーポピンズの傘はビニール傘じゃないんだろうけど、なかなか楽しかったです。

 ちなみに恥ずかしながら僕はメリーポピンズの中身をほとんど知りません。教養がなく不勉強なのですが、つい先日までメリーポピンズとハンプティ・ダンプティがイメージの中で混ざり合っていて、卵型のおじさんが傘を持って高いところから飛び降りて空を飛ぶ話だと誤解していました。

 でも、それはそれでなんだか素敵な物語になりそうですよね。卵型のおじさんってだけで可愛い。さらに傘で空を飛んじゃうんだからメルヘンチックなおじさんの地獄絵図。素敵です。


 ビニール傘越しの世界は、キラキラ輝いて見えました。日の光がビニールに反射してきらめき、薄いベールみたいに優しく世界を覆っていて穏やかな気持ちになれました。

 なんてことない普段の日常、いつもと変わらないはずの光景が違って見えたんです。

 こういう世界の捉え方、認知方法もたまには良いな、と思ったんです。何気ない日常を輝かせて、膜を一枚隔てることで見たくもない汚く見苦しい部分を隠して見えなくしてくれる。

 もちろん時には辛く厳しい現実を直視しないといけない場面やタイミングがあることも承知しています。

 でも、そればかりじゃ苦しくなっちゃう。たまには自分に優しい世界の見方をして、夢を見るのも悪くないんじゃないかな。そうです、僕はデイドリーム・ビリーバー(き、き、清志郎ちゃうわ!)


 そんなことを思った一日でした。
 それではまた。

(本当はエッセイと掌編を同じテーマで書いてみて、交互にアップしようと思ってたんだけど、一昨日のエッセイのテーマで掌編を書くのに思いのほか時間かかってるのでエッセイ連投です)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?