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私に衝撃を与えた2つの実話。

みなさんこんにちは。ロックダウンをいかがお過ごしでしょうか。

バルセロナでみなさんよりも一足先に自宅待機に入り、既に約2ヶ月ものあいだまともに家から出ていない身として言えるのは、最初の数週間は急な環境の変化に自分は感じてないと思っていても知らないところで体がストレスを感じてしんどくなることもあるかもしれませんが、それも徐々に慣れてくる部分もあるかと思います。

私の場合も最初の2週間ほどはそのせいで頭痛やダルさのような症状が出ていましたが3週間目ぐらいからはそれもなくなり、1日のルーティンをある程度確立でき生活をしていました。

ストレスがないと言えば嘘となりますが、今できることと向き合い実行していくしかないですよね。

逆に言えば、周りと差をつけられるチャンスとも捉えられるかもしれません。

今一度、自分自身とも向き合って行動する時間には最適なのかなと思います。

さて今回ですが、自分のこれまでの毎シーズンを振り返った時に印象に残っているエピソードがいくつか蘇ったので少し紹介したいなと思います。

小学生年代の”世界レベル”を体感

まず初めのお話は私が指導者として初めてバルセロナの現場に立った1シーズン目のことです。

自分で第一監督としてチームを持つ傍、スカウティングとして別チームにも帯同していました。チームは同じクラブ内だったんですが、その年代の(U12)のトップチームでかなりレベルの高いチームでした。自分自身も初めて現場に立つ身でその子たちのパススピードを生で見たときは衝撃だったのを今でも鮮明に覚えています。

私の所属するUEコルネジャというクラブは、街クラブの中ではトップに位置しバルサとの関係も友好なことから毎年カテゴリーを問わず、バルサで契約更新をしてもらえなかったような選手が転がってくるようなクラブです。

実際に私が帯同したそのチームのも昨シーズンまでバルサでプレーしていて契約を更新してもらえなかった選手が3名やってきました。

今回そのうちの一人の選手のちょっとしたエピソードです。

あるリーグ戦の日。相手は上位のチームで接戦でした。私たちとしても勝ちたい一戦でしたが、後半折り返しの時点で1-2のスコアで負けていました。

そんな中で迎えたハーフタイム。ピリピリしているチームの雰囲気の中で一人の選手が私たちスタッフに近づいてきました。”元”バルサの1人の選手です。

顔は真剣そのもの。私たちはどうしたんだろと様子を伺っていました。

すると彼が発した第一声は「いますぐこのプレッシングの方法は変えるべきだ」と半ば怒鳴りながら言ってきたのです。

私はその場で固まってしまったのですが、またすごいのがそれに対して冷静に「なぜだ?」と聞き返してしまう第一監督。

この選手と監督の関係性だけでもびっくり騒然でしたが、その後のさらに驚いたのがその監督の”なぜ”に対して選手が明確なアンサーを持っていたことです。

「奴らは、左サイドバックに右利きの選手を配置している。それに明らかにレベルからしてもあそこが穴だからそこに向かってプレッシングを誘導すべきだ」と。

衝撃でした。

半ば、11歳位にしてここまで考えてプレーしながらしかもそれをしっかりと言葉にして監督に向かって主張する。

今まで見たことがなかった光景がそこにあり、これがバルセロナの現場では当たり前なのか、これがあの世界のバルサでプレーする選手のレベルなのかとひとつ自分の中でも指導への概念が変わり分岐点となリました。

トップに辿り着く選手の在り方

二つ目の話は、これまたバルサに関わるものです。

これまた1シーズン目に、とある祝日に開催されたカップ戦に私が持っていたチームとは別のチームが参加することとなったんですが、その日にそのチームの監督がチームに帯同できないということで変わりに私は1日限りで率いることになりました。

雰囲気は超ドアウェー。ミーティングの際も選手たちはなんだこのアジア人はと言ったような顔で困惑していた。全員が自分のスペイン語のアクセントの違いに対してゲラゲラ笑い声を響き渡らせる。

1人を除いて。。

その1人だけ、ロッカールームの端っこに座り両手を膝の上にきれいに置いて、真剣な眼差しで自分の話をジッと真剣に聞き続ける。

笑っているチームメイトに対して「黙って話しを聞け」と注意する。

3年経った今彼はあのバルサでプレーし活躍している。

このテーマは、世界のどこに行っても変わらないもの。

選手も指導者もまずは”人間”として成長しないとトップまで上り詰めることは有り得ない。

そんな大切なことを11歳の彼から学びました。

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日本人とスペイン人のスタッフで構成されるMLTは、バルセロナを拠点に置くスポーツ団体です。日本のサッカー発展に貢献するため、バルセロナと日本を繋ぐツールになるべく活動しています。日本サッカーが発展するためには、①育成年代の改革 ②サッカーを見る・学べる環境作り ③指導者のレベルの底上げ が優先して必要だと思っており私たちのコンセプトでもあります。

現在は、バルセロナで小学生年代に向けたMLT テクニフィケーションスクールを開催したり、夏に日本で指導者向けカンファレンスやサッカーキャンプを開催しております。詳しくは、我々のホームページにて活動内容を掲載しておりますのでどうぞご覧ください。

MLT 創設者 紹介

【高田 純】
2014 年高校を卒業後、バルセロナに渡り2015年には、スペイン指導者ライセンスレベル2(日本のA級相当)取得。近年では、クラブUEコルネジャで小学生年代チームの第一監督を務める。

-指導経歴-
2014-2015 CLUB フピテルU-12 セカンドコーチ
2015-2016 CLUB フピテルU-12 セカンドコーチ
2016-2017 UE コルネジャ U-12 第一監督
2017-2018 UE コルネジャU-11 第一監督,U-12 第二監督兼アナリスト
2018-2019 UE コルネジャU-11 第一監督,U-14第二監督兼スカウティング
2019-2020 UE コルネジャU11 第二監督

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