使える知識と使えない知識どう分担する?
最近すごく気になることを少しまとめてみたいなと思います。
今のこの時代、SNSがとてつもないスピードで進化をし、携帯一つ開けば、youtube一つ開けばある程度の情報や知識を持つことのできる時代です。
サッカー界の話をすると、海外で指導者をされてた方達が日本に帰る傾向が増え、日本全国各地で指導者向け講習会やクリニックなどが開催され一昔前に比べると、情報の回収がすごく簡単になっています。
そんな中、、果たしてその得た情報や知識を実際の現場で落とす作業、アウトプットを十分に出来ている指導者がどれだけいるでしょうか。
もしくは、オンラインで得た海外の情報や知識を実際に海外に足を運び、目で見て体感して比較した上で物事を語れる指導者がどれだけいるのでしょうか?
知識ばかりが先行して、”サッカー指導者”の一番の責務でもある選手達に発信することを十分な量できているでしょうか?
ここで勘違いして欲しくないのは、「もちろん知識を増やす」や「サッカーの勉強をする」ことは大切なことです。
間違いなく一指導者として必要なことで、外してはいけないことです。
ただ、そこだけにやたらと労力を割いてしまい実際の現場での経験を着実に積んでいる指導者がどれほどいるだろうか。
未来輝く若い指導者へのメッセージ
このテーマは特に若い層の指導者に発信したい。
私は、18でバルセロナという地に足を運んで6年の月日が経つが、彼らスペイン人からとにかく感じるのは「現場主義」ということだ。
もちろんその背景には、【リーグ戦の環境】であったり、【実力主義社会】と言った年齢に関係なく評価される部分もあるだろう。
ただ、、
彼らを見て思う。おそらく、サッカーの知識や分析力などでいくと日本人は彼らに勝る部分も多くあるだろう。
ただ、何かが違う。
そう、同じ【知識】という枠組みの中に「使える知識(実践的知識)」と「使えない知識(非実践的)」の二つが存在するとしたら、彼らは前者をとんでもなく熟知している。
要するに効率性がかなり高いのだ。
ではなぜこのようなことになるのか?
答えは簡単で現場に出てチームを率いる大切さを知っているからだ。
そこで本当の学びがあることを知っているからだ。
逆に出ないと置いていかれるって知っているからだ。
実際1シーズン自分でチームを一度チームを持ってしまえばそこから離れることが怖くなるぐらい学ぶことが多いんだ。
これは指導者によって異なる部分もあるかもしれないが、私の印象では彼らはまず現場に立つ。
もちろんある一定の知識を蓄えて、勉強はするだろう。
ただそれよりもまずはチームを自分で率いるんだって思いが先行する。
そもそも入りが違うんだ。現に、17歳18歳で自分が監督として一つのチームを率いている光景は当たり前だ。
そうやって、毎シーズン毎シーズン現場に立ち続けて失敗談と成功談から自分にっって本当に必要な知識もしくは現場で使える知識の分別をしていく。
私もこっちでの1シーズン目はまさしくそうだった。
”現地のコーチングスクールで学んだ知識を全て現場に落としてやる”って。
”学んだ戦術知識をチームに浸透させて見せる”って。そんな意気込みだった。
ただ、実際チームのリーダーに立って見ると全く違った景気があって、何も思い通りにいかない。
そこで、初めてコーチングスクールで学んだ知識の中にも実際の現場に落とし込めるものとそうではないことの判断ができたんだ。
語学が良い例
同じシチュエーションを語学で例えてみよう。
例えば英語。自己紹介文で my name is 〜という文がある。
日本の学校や本で大抵は教えられる文法だろう。
ただ、実際に英語圏に行ったものは皆口を揃えて言うんだ。
実際の現地で自己紹介をする時は Hi JUN (名前)と使うとね。
何が言いたいって、実際に現地に飛び出してみないと、現場に足を踏まないとほとんどの机の上で学んだ知識は使えないものだっていうことだ。
指導者の世界でもそれは同じ。
別に彼らスペイン人が勉強してないって言ってるわけじゃない。
してる奴はめっちゃしてるしサッカー博士も多い。
ただ、「勉強」「学ぶ」の概念がそもそも違う気がする。
知識を蓄えて(インプット)して、現場で表現する(アウトプット)する。
【知識】ってのはアウトプットまでして本物の知識になるんだ。
指導者ライセンスだって一緒。
こっちでも、いくら指導者ライセンスを持っていても実際の現場で全く結果が出ない指導者も沢山いる。
逆に、ライセンスは持っていなくても現場での経験を積んで着実に結果を出して評価されている指導者も多い。
もちろん、ライセンスのテーマについてはどこの国で指導してるや文化によっても考え方が変わってくるとは思うが、現場主義への考え方はどこにいっても持つべきだ。
断言する。私は皆さんほどサッカーを知らないし研究もしていないかもしれないけど、監督としての現場での失敗体験・成功体験のこれまでの数や、すごいプレッシャーのなかでの潜ってきた修羅場の数は誰にも負けない。
実際の現場で何が必要で何が要らないのか。これは可能でこれは無理があるのか。
ここの判断には自信があるし、これは他にもなくこれまでの現場に立ち続けてきた数から来るものだ。
だから、強く伝えたい。まずは現場に出てトライアンドエラーをし続けること。
可能ならば、他人からのフィードバックも受け続けること。
それを10代からし続けてきているスペイン人指導者との差は広がるばかりです。
まずは外に出てみよう。
これを言ったらまた海外被りが偉そうにとか色々な意見があるんだろうが、自分はそれを言えるだけの経験をしてきたし比較できるような数も見てきた。
特に若くして将来のサッカー監督を目指している者へ。
もし、今回書いた内容に少しでも当てはまるのであればいますぐ環境を変えるべきだ。
机の上での勉強量はたかが自己満足に過ぎない。現場で闘わないと。緊張感ある試合位を経験し続けないと。置き去りにされてしまうぞ、
それだけです。
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