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2021年 最新 「アナリスト」を徹底解析

サッカー界において最近さらに注目を集め、なりたいと言う人も増えているように思える「アナリスト」について今回は解析していきたいと思う。

そもそも、なぜ今回このようなタイトルそして内容の記事を書こうと思ったか。

その理由は普段、特に最近になりSNSなどを観察していると「アナリスト」という言葉が頻繁に飛びかったり、自分のプロフィールに「アナリストです」「将来アナリストを目指しています」などを見かけるのだが、実際のところこの職業の位置づけや、具体的なタスク内容をどこまで理解しているのだろうかと疑問に思ったからだ。

疑問に思うだけなら別にわざわざ記事にして自分の意見を解説する必要もないのだが、自分自身もこのアナリスト経験があるだけにそして、この仕事において先端を走るスペインの育成現場に身を置きながら、いかにこの仕事が大事かだと考えているからこそ、もしこれからアナリストを目指すような方がいるのであれば少しでもヒントにしてもらえたらなと思ったからだ。

1, 「アナリスト」のポジショニング

それでは本題に入りたいと思うが、まず初めにあなたは「アナリスト」の仕事は ”ある「部門」” からさらに分類されたポジショニングにあるということはお分かりだろうか。

以下の図を見て欲しい。

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この図からも分かるとおり、「アナリスト」という仕事はあなたも一度はお聞きしたことがあるであろう「スカウティング」の部門の中にある2つの役職のうちの1つになる。

ではこの「スカウティング」の定義とは何か?以下が定義となる。

"試合やトレーニングセッション中に情報を収集し、さまざまなパラメータのデータを分析するプロセス"

後半の文章は少し難しくはあるが要するに情報収集をし分析をするがスカウティングの定義となる。

「アナリスト」ともう1つの役職は「スカーター」だ。

図にも書かれているとおり、主な役割は①選手を獲得するための追跡 ②市場の情報の獲得となる

一方で、「アナリスト」の仕事は ①自チームの分析 ②敵チームの分析 ③トレーニングの分析となる。

ただ、今私が話している内容はあくまでもトップカテゴリーが対象の話となる。

もちろん育成年代においてもこのような形で各部門にスペシャリストを揃えてシーズンを戦えたらそれほど理想なものはないのだがなかなか難しい。

実際に、私が指導をしているバルセロナの育成現場でもやはり第一監督や第二監督がお互い協力をしあってこれらのタスクを分別してシーズンを進めている。

ここまでの説明で、「アナリスト」の組織の中のポジショニングがなんとなくお分かりいただけたかと思う。

2, 分析のプロセス

次に、アナリストのタスクにもあった「分析」をしていくにあたっての簡単なプロセスを見ていきたいなと思う。

以下の図でも分かる通り分析の主なプロセスはこれだ。

❶情報の収集
❷情報の分析
❸レポートの準備
❹情報の伝達

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ちなみに初めのプロセス「情報の収集」はもちろん週末の対戦相手の試合を見にいき行うことだが、バルセロナの現場では過去3〜4試合を見て情報を収集することが一般化されつつある。

それはカテゴリーに問わずだ。中にはクラブからの強制があるクラブもある。

日本の現場でもこの対戦相手の視察からの情報収集を大切にしている指導者をたくさん知っている。

リーグ戦環境や1日に何試合もある環境下で難しさはあると思うが、できる限りの情報を元に1週間のプランニングを作成していくことが理想かなと思う。

3つ目の「レポート準備」の具体的な準備法はまた後に触れていきたいと思う。

そして最後のプロセス「情報の伝達」これはもちろん第一監督に対しての伝達だ。

チームによっては、アナリスト自らが分析結果をビデオを元に選手に対してビデオセッションを行うチームもあれば監督が行うチームもあるがどちらにせよ監督への伝達は欠かせない。

ちなみにルイスエンリケは、ビデオセッションを全てアナリストに任せそれを見つけるだけ。一方、ジョセ・モウリーニョは自らが先頭に立ってセッションを行うタイプだと聞いたことがある。

これも全て監督のやり方・好みによって変わってくることだ。

3, プロセス① 「情報収集」

それではプロセスを見たところで次に実際に各プロセスでどのような作業をしていくのか?を見ていこうと思う。

まずは一番最初のプロセス「情報収集」だ。

ここでは大きく分けて二つの収集法に分けた見方ができる。

以下の図にも書かれているとおり、①直接的観察法 ②間接的観察法 この二つに分けることができる。

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2つあるのだが、どちらが良いどちらが悪いとかではなくどちらも行うことは大切が結論だ。

特に私はその中でもライブでの試合の視聴をとても大切にしている。

図にも書かれているが、やはり実際にグランドに足を踏み入れて試合を見る際の何か伝わってく雰囲気や、選手もしくは監督の細かな仕草や動作などでこのチームの今の状況を試合結果以上に読み解くことができそれが良い意味で自分の中での危機感や自信に変わるのだ。

ビデオ視聴の最大のメリットは、コート全体の分析が行いやすいところにある。

バルセロナの現場では、このビデオの題材を同じリーグ戦のグループのチームの監督同士で交換しあったりもする。

どうしても、グランドの距離の関係や日程上見にいけない場合はこういったことも行われているのだ。

もちろん監督によっては、相手チームにわざわざビデオを提供したくないといった監督もいるから全員が全員ってわけではない。

4, プロセス② 「情報の分析」

次に2番目のプロセスである「情報の分析」について見ていきたい。

まず初めに、分析には大きく分けて2つの種類があるという事を把握していておきたい。①訂正分析 ②定量分析 この2つだ。

簡単にいうと、実際のアクションを見て分析するタイプとデータ(数字)を見て行うタイプの違いである。

この2つのタイプのさらに具体的な内容に関しては次回の記事にて説明していきたいと思う。

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今回の記事はここまで。

「アナリスト」についての入門編のような内容になったが次回の後編記事ではさらに深入りした内容に入っていきたいと思う。

ありがとうございました。



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