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【2023最新】 現分析官に聞いた、アーセナルのプレーモデル大公開 【前編】

三笘選手が所属するデ・ゼルビ率いるブライトン同様に、ここ数年プレミアリーグで注目を集めるスペイン人監督ミケル・アルテタ率いるアーセナル。

皆さんの中にもアーセナルの試合を見ながら戦術的コンセプトの分析や学びを行う指導者の方も多いのではないでしょうか?

そんな中、先日バルセロナで行われたとあるカンファレンスにて現アーセナルの戦術的アナリストを主に務めるMiguel Molina(ミゲル・モリーナ)からクラブが所有するプレーモデルやそれらのアイデアを落とし込むためのTRメソッドの一部のお話を伺う機会がありました。

弱冠30歳のスペイン人コーチ

非常に整理された内容のもと、近年のアーセナルのパフォーマンスにも納得するような話を聞くことができたので当記事にて皆さんにも一部共有できたらなと思います。

皆さんが指導するクラブ/チームのモデル作成段階のヒントにもなるはずですので是非最後までご覧ください。※前編/後編に分けて発信します。

【この記事を書いてる人】

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※本題に入る前に以下の動画、記事をご購読することを推奨します。当記事で頻繁に登場するプレーモデルについての定義とその作成方法です。当記事内では、そのベースがもう理解されている前提で話を進めます。

我々はどのようにプレー理解をしているか?アーセナルが持つDNAとは?

まず初めに見ていくパートはアーセナルというクラブが持つDNA/アイデンティティについてです。どのようにして我々のフットボールを人々に見てもらいたいか?知ってもらいたいか?理解してもらいたいか?を指します。

まず守備面では、とにかく前にプレスに出ていくことを強調します。そのために必要なブロックのコンパクトさと、Viajar Juntos 直訳をすると「全員一緒に旅をする」のサブコンセプトを重ねて彼らに発信します。

ポジショナルプレーの本質は、可能な限りゾーン3でのプレーを可能にさせることと唱える中で前線からのプレスは必須な項目となります。また、ボールを仮に奪取した際に発生する自チームのカウンターアタックのことも考えた上で、もしボールを奪った際に選手間の距離が30-40mも離れてしまっているとその分パスのリスクも上がり、有効なカウンターへと繋がらないこととを意味します。

ただここで勘違いをしたくないことは、試合や相手によっては常に低ブロックを敷くプレー選択を捨てないということと話します。前からプレスに出るということは優先に掲げる中で、試合背景に選手が適応をしブロックのタイプを変更できるフレキシビリティーも伝えます。

またこれらは全て「コンスタントなカウンターを生み出す」こととリンクし、これらの目標を掲げる1番の要因は常にチームが現在抱えるプレーヤーたちの特徴に則っているということです。

前線には、フリーランを得意とする選手,オープンスペースでのプレーを得意とする選手,縦に早いプレーを好む選手などそれぞれが兼ね備えるキャラクターは常にベースとなります。

次に攻撃時です。

守備時同様に、可能な限りゾーン3でのプレーを可能にするために「前へのプレーを優先」します。そこからもう少し具体的に見ていくと、プレー支配を行うために①短い選手距離間と②4ルールというものを提唱しています。

距離間に関しては先ほどもプレッシングの際に出てきましたが、短い距離間=相手を蓄積するところからスタートした後に相手を拡張していくイメージ。またこれに関連して彼らが頻繁にSBを中央に入れる理由についても以下のように言及しています。

①6番(SB)-CBの距離を縮め、パスの循環リズムを高める
②奪われた際のマネジメント要素
③相手の守備的構造をより大幅に動かす

また②の4ルールというのは、4という数字を基準にいくつかのチームとしての”決まりごと”を所有しています。

①ボール保持時は最低でも4つの高さ(ライン)を構築すること
②最低でも4人を中央レーンに構えること(+偽9番,ウイング中…etc)

【誰が】を提示するというよりは、数字で基準を与えそこからは彼ら自身の中で生まれるナチュラルなアイデアやローテーションを尊重するというイメージ。このようにチームとして持ち合わせる構造/モビリティと与える自由度のパランスに意識をかけていると話します。

そして最後に一番マクロに掲げる4つのアイデンティについて。

①ハングリー精神
②競争
③リズム
④リーダーシップ

特にプレミアリーグという舞台において、スペイン人のミゲルが違いを大きく感じるのは「圧倒的プレーのリズムの違い」と言います。その適応に苦戦する選手も多く発生する中、スタッフのサポートを通して徐々に適応へと持っていきます。

また更にアーセナルのプレーへの理解を具体化したマップがこちらです。

マップからも見て取れるように、全てのフェーズ/プレー局面をリンクされているものとして理解するということ。これを「レインボー(虹)ゲーム」と表現されるそうですね。

前編はここまでとなります。続きは後編にてご覧ください!


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