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”監督”やらないと。

第一監督としてチームを率いるべき

ずっと書きたかった内容。

「サッカー指導者」という括りの中で、皆さんが目標としているプロフェッショナルは何ですか?

中には、アナリストを目指している者もいればサッカー選手発掘のスカウティングもしくは監督ではなくあくまでもセカンドコーチやアシスタントコーチを目指している者もいるだろう。

結論から言うと今回の記事で一番伝えたいことは、どの役職に着きたいにせよまずは一度でもいいから

”第一監督としてチームを率いるべき”

と言うことだ。

理由は以下の通りだ。

①監督が今何を考えているか、必要としているかの理解

②チーム・選手への理解

③可能なものかそうでないものかの判断(エビデンスの獲得)


主治医と補佐の関係性

①で述べた「監督が今何を考えているか、何を必要としているかの理解」だが、例えばアナリスト(分析官)のケースで説明すると、実際に行った分析作業のデータが果たして監督からすると今本当に求めているものとは違ったものだったり、欲しいタイミングではなかったりするケースは多々あることだ。

そこには背景として、第一監督の経験がない分析官が、チームのボスとしてチーム全体を見渡して1シーズンの間チーム・選手マネージメントが必要とされる”監督”としての要素を理解できていないことからくることだと思っている。

何が言いたいかというと、第一監督の経験をすることで他の役職でチームに帯同したときの監督への介入するタイミングの理解ができるということだ。

これは他の職種でも同じことだろう。

例えば、大事なオペ中に主治医の経験がない補佐が果たして、主治医が本当に求めるタイミングでメスの手渡しができるだろうか。

主治医の頭の中で考えていることまで察知して、サポートに回れるだろうか。

また、第一監督が味わう緊張感や恐怖心というものは少し格別だ。

特に育成年代からもよりリーグ戦の結果をクラブから求められるスペインの現場においてはより一層かもしれない。

9月にシーズンが開始して、6月に終了するが12月のクリスマス期間までもたずに首を切られる監督は大勢いる。

そんな中で監督からすると、試合後に分析官から硬い試合分析の話をされても全くそれを求めてないし、嫌気がさすくらいだということだ。

いくら、分析力に長けていてもチームとして活動する際に今チームが本当に求めていることへの理解が欠けてしまうと何も意味をなさないと言うわけだ。

チーム単位での本当に必要な行動への理解

②の「チーム・選手への理解」もマネージメント面と関係する部分が大きい。

例えば、アシスタントコーチからすると良きと思って試合前にロッカールームに入って選手たちとコミュニケーションを図ろうとしたことでも、監督からすると試合前のロッカールーム はあくまでも彼らの中で集中した雰囲気を作り上げていく時間としてスタッフには外に出て待機して欲しいケースもあるかもしれない。

要するに、監督をすると言うことは全体的な目線で物事を管理することが必要となり、他スタッフが持つ視線とはまた違ったものが求められるのだ。

これは、チームとして活動する時の自分のポジショニングの理解へも大きく繋がることだ。

私の経験からしても、空気が読めないような行動をしてしまうスタッフは間違いなく第一監督としての経験がない。

トップに立つことで、各役職においてチーム単位で必要な行動が把握できることは多いのだ。

エビデンスの獲得

③の「エビデンスの獲得」については今回の記事の中でも特に伝えたい内容だ。

第一監督の経験を積んでいくと、言葉には表すことのできない何か感覚的なものを得ることができる。

その感覚というものは、実際の現場で実践可能なものと可能ではないものの判断において重要な役割を果たすと考えている。

チームマネージメントだってそうだ。

あのグアルディオラもあるインタビューで言っていたことだが、選手との接し方や今チームにとって必要なものっていうのは監督経験から来る感覚的なものも実際のところ多いということだ。

他にも、現場で監督として経験を積むことでこの練習メニューは効果的だなとか、このチーム戦術は実際のところ非実戦的だなとか、現場でのエビデンスを獲得することでより必要性の高い知識をオーガナイズすることが可能になる。

正直、私自身もSNSの発信などを見ていても、参考にさせていただく基準は実際の現場で監督としてチームを率いたことがあるかないかが大きい。

なぜなら、そこには確かなエビデンスを踏まえた発信があり、現場経験のない人の発信や知識というのは信用性に欠けるものがあり、そこをも吸収してしまうと間違いなく自分の頭の中で混乱してしまうからだ。

実際私も、3シーズンにおいて自分のチームを率いてきたわけだが、周りに日本人で第一監督としてチームを率いているものが少なすぎることに少し残念な気持ちになる。

もちろん、背景として各個人の理由があるだろうが指導者ライセンスをとってそのまま帰国してしまったり、1週間だけの短期留学で帰ってしまうのはとても惜しい気持ちになる。

そこからの現場でのアウトプットもしないまま持ち帰った知識が本当に実践的で価値あるものになるのだろうかといえばクエスチョンになる。


と言うことで今回は第一監督を務める重要性を少し述べさせてもらいました。

とにかく、現場に出て監督した方が絶対いいと言うこと。それだけです。



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