【重要】 ジュニア年代のTRにおいて大事な10のポイント解説。
今回は1つ育成年代のサッカー指導者に向けた内容を共有します。
いきなりですが、僕自身今シーズンで10年目となるバルセロナでの指導者キャリアの中でありがたいことにたくさんの異なったカテゴリーでの指導に関わることができています。
19歳の時に初めて監督として指揮をしたチームは4年生でしたし、そこから1段1段カテゴリーを上げながらジュニアユース年代も経験し、今シーズンは育成年代では最高学年でもあるU-18チームに帯同しています。
幅広い育成年代の中でも異なったカテゴリーを見てきたわけですが、たくさんあるカテゴリーの中でも特にジュニア年代もしくはジュニアユース年代初めのカテゴリーの重要性は個人的に強い思いがあります。
やっぱりこの学年というのは彼らの選手キャリアの入り口となる中で、特に我々指導者としての責任が増すと思っていますし、TRの構築方法や彼らとの接し方、マネジメントの部分や練習での姿勢を間違えてしまうと、今後の彼らのキャリアにポジティブにもネガティブにも働いてしまうと思っています。
「日本の育成年代に貢献する!」の類のフレーズはよく聞きますが、やっぱりその中でもまずはこの学年を変えていかないと、ユース年代からではすでに遅い部分はたくさんありますよね。
なので僕自身も、これまでバルセロナの育成年代異なったカテゴリーを見てきたとは言え、特にジュニア年代で指揮を取る期間が長かったというのは、これらの思いや背景も含まれているとこではあります。
ということで今回の記事では、ジュニア/ジュニアユース年代にフォーカスして「ジュニア年代のTRにおいて大事な10のポイント解説」ということで、僕自身がこれまでの指導経験で感じることも含めながら順番にコンパクトに皆さんに共有していくのでぜひ最後までご購読ください。
こちらの記事内容を動画視聴されたい方はこちらから。
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【この記事を書いてる人】
①介入し過ぎず、プレーをさせる
すごいありきたりでよく耳にするフレーズかもしれませんが、1つ目のポイントは本当にシンプルなメッセージで、特にジュニアユース年代までの低学年のカテゴリーというのはプレーをさせてなんぼです。
とにかくプレーをさせて、失敗/成功体験を積みながらプレーを無意識に記憶として覚えさせることが理想です。
この類の話をする際に1つ、バルセロナ育成現場の指導者同士で討論となるのが「TRにセットプレーを導入すべきか?」です。
僕が初めてチームを持ったシーズンでも、クラブの小学生年代コーディネーターから「必ず週3日の練習の中で20分はセットプレーのセッションを取り入れろ」と話がされていました。当時まだ若かった僕からすると「お、さすがここまで徹底するのか!」と頷いていたましたが、今は完全に反対派です。
話を戻しますが、【プレーをする】に焦点を当てるとやはりセットプレーのパターン練習をしている時って選手の足は止まるし、プレーが止まります。ただでさえ練習時間が短いバルセロナの現場では、特にそれ以外の選手全員が極力ボールに触れながらプレーができるセッション作りを優先すべきだと思います。
②可能な限り選手がストップしないメニュー作成
①と、この後見ていく③とそれぞれリンクはしていますが、大事なポイントです。僕も普段活動する中で、スペイン人指導者からたくさんのことを学ばさせてもらい彼らが持つ多様なスキルにびっくりすることがありますが、その中でも特に「コイツら長けてるな」って思うのがTRメニューデザインスキルです。選手全員が極力止まってしまう時間をなくすようなメニュー作りです。
で、ここで重要なことはメニューの全体構造自体は今のこの時代においてネットを開けば本当にたくさんのメニューが盗める中で、その構造以上にちょっとした工夫の部分を指します。それは、キーファクターの内容かもしれないし常にボールをスタンバイしているような姿勢かもしれないし、ちょっとした工夫によって選手が止まる状況を回避することはいくらでも可能ですよね。
参考動画↓
些細な工夫やこだわりは、スペイン人指導者の強みと思います。
③話す量を減らし、プレーさせる量を増やす
残念なことにバルセロナの育成年代でも、7.8歳の選手たちに対して話す時間の方が長くなってしまっている勢いでTRをしてしまう指導者はいます。リーグ戦文化ということも影響しますが、週末の対戦相手のインフォメーションをひたすらと聞かされて頭がパンクしてしまっている子供達もいます。
やっぱりそうではなくて、①でも話しましたが話す量は極力に減らし、プレーをさせてあげる時間を増やしてあげましょうということですね。
④TRは可能な限りボールと共に行う
これもよく聞くフレーズかなと思うのですが、1つ僕が過去に経験した話を紹介します。もうかれこれ8年前の話ですが、日本から遠征に来たチームに当時バルサのカンテラで指導されてた方がTRを行う機会があって、その際に通訳として帯同をしたことがありました。
その時の日本チームは小学生でしたが彼らがW-UPを開始した途端、彼が僕に近寄ってきて「jun,彼らは何をしてるんだい?」と聞いてきました。ボールなしでひたすらにグランドを周回しながらジョギングしている彼らの姿を好まなかったようです。
つまりそれがアップだろうが、フィジカルトレーニングだろうがサッカーというスポーツの中心にあるボールと共にセッションを行う重要性を話していました。もちろんカテゴリーが上がったり、プレーシーズンなどの特別な一定のタイミングにおいてボールなしでのTRを導入する機会はありますが、この経験から僕自身も基本的にジュニア年代への指導を行う際はボールありきのセッションのみを行うように意識するようになりました。
⑤”楽しんでるか?”を優先する
12、3歳までは「楽しむ」を最優先事項として置くことはマストだと思っています。
「学ぶ」や「競争する」などの他の重要要素もありますがそれら以上にまずこのカテゴリーにおいては彼らがフットボールを始めた原点を忘れずに彼らと接することが重要です。
⑥1パターンではなく複数の動きを導入する
いくつか理由はありますが、まずは先ほどの⑤でもあった「楽しめているか?」と関係する中で、やっぱりトレーニングの中で1パターンのみの何かアナリティックなメニューを特にこの年代において行っても、飽きが出てくるし心から楽しめない選手って多いと思います。
他の理由としては、やっぱりこの年代って何か学んだコンセプトやアクションが彼らの中で習慣化されていく学年な中で、可能な限り複数のビルドアップの形やフィニッシュの動き、プレッシングの方法やサポートの方法を伝えてあげたいところです。
⑦スペース縮小型のゲーム形式の導入(ミニゲーム)
簡単に言い換えるとミニゲームのことを指しますが、僕自身このミニゲームというTR形式に対しては自分が現役でプレーをしていた頃は、「とにかくゲームをしているだけで意味がないんじゃないか?」と思っていましたが、指導者としての学びをするにつれて、このミニゲームが持つポテンシャルを感じることになります。
また違う記事でこのミニゲームに関しては徹底解説しますが、一番は単純にボールに触れる機会が彼らの中で増える中でやっぱり楽しいですし、感情(エモーショナルな部分)に影響を与えるということは大きいです。
他にもたくさんのフットボールが選手に求める要素を改善するためのポイントが詰まっている形式の1つなのでまたの機会で解説しますね。
⑧人間が生まれ持って備えている競争力を最大限発揮できるようにする
やっぱりフットボールというスポーツを行う中で競争はしていかないといけない中で、この要素がチームに欠けすぎているがあまりにいくら戦術的な要素を丁寧にチームに落とすことに成功しても、蓋を開けば週末のリーグ戦で全く結果が出ないようなチームはバルセロナでもたくさん見ます。
競争しながら楽しめるようなメニュー作成ができれば理想ですが、人間がもしくはスポーツ選手が元々に備えている競争心を消さずにTRから注入することは必須です。
⑨修正以上に褒め言葉を増やす
これに関してはユース年代でも同じですが、特に感情がシャープ(豊か)で純粋な小学生年代においては、もちろん修正もしていかなけれないけませんが何か彼らが良いアクションを行った際の褒め言葉のパーセンテージの方を増やしてあげたほうが、そこから気持ちがより穏やかになって学ぶことが増えるのかなって思います。
⑩「指導者用語」を現場で使わず、シンプルに伝える
スペイン人の指導者界隈でも頻繁に出されるテーマで、いわゆる「戦術オタク/博士」のような人はいるわけですね。そのようなタイプの指導者がいざ現場に出た時に、指導者界隈で使うような用語をそのまま選手に対して発信をしてしまい全く伝わらないことは多いです。
ここの言葉の変換作業ができずに、自分のエゴを現場にも出してしまうとかなり厳しいです。
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