俺的好きなデザイン会社10選_グラフィック編
こんにちは、デザイナーの安藤です。
みなさんは好きなデザイナーやデザイン会社はありますか？おそらくデザインを生業としている方ならなにかしら自分の「好きなデザイン」があるのではないかと思います。
普段のクライアントワークだとターゲットや目的に合ったテイストのデザインを目指すので、ある意味自分の「好き」や「嫌い」という気持ちは隅に置いておかなければいけない場合もありますよね。また経験と同時に見る視点や深度も変わってきて、単純に好き嫌いで評価しなくなっていくと思います。
でも、自分はそもそもどんな会社がつくるものに惹かれているのか・好きなのか。それらをまとめることで、改めて自分の趣味嗜好を知るきっかけになったり、自分の目指したい方向性を明らかにできるのではないかと思い立ちました。
選ぶ基準は、単発ではなく全体的に好きかどうか、自分もそんなデザイン作りたい、そうなりたい！って思うかどうかです。また、人や思想ではなくてアウトプットされたモノで判断するようにしています。
ということで俺的好きなデザイン会社10選グラフィック編（グラフィックだけで終わるんじゃね）です。ちなみに日本国内です。
個人的&備忘録的なまとめですがよろしくお願いします（順不同敬称略）
01_tegusu
横浜に拠点を置く藤田雅臣さんのデザインオフィスです。
学生の頃にロゴやVI、年賀状のグラフィックを見て「めっちゃいい！」ってなった記憶があります。
丁寧に設計された文字やロゴは幾何学的で芯の強いデザインなのですが、どこか親しみのあるものが多いです。子ども向けのデザインもいくつか手がけています。
レイアウトも数学的な美しさがあるというか、余白の取り方がすごい好きだなあと感じます。
02_paragram
赤井佑輔さんが代表を務める大阪に拠点を置くデザインスタジオです。
実は会社として知ったのはここ数年（インスタ開設された頃）なのですが、デザインのクオリティと数にびびりました。
尖った表現ばかりではなく、しっかりとそのものの内面に合った外見を作っているけど、そこに共通する美意識のようなものを感じます。パッケージからロゴ、フライヤーまで全てが上手い…。
トーンが好きと言うよりはこういうデザインができるデザイナーになりたいなあと思う会社です。
https://www.instagram.com/paragram_design/
03_homesickdesign
清水真介さんが代表を務める岩手・盛岡に拠点を置くデザイン事務所です。
手がけているポスターやフライヤー類に魅力的なものが多いです。デザインにはちゃんと地域らしさが感じられるのに、表現としては割と尖ったこともしていてバランスが凄いです。
「手仕事感」のあるデザインが多い印象です。
04_UMA/design farm
原田祐馬さんが代表を務める大阪のデザインスタジオです。文化・福祉系や地域に関わるデザインを多く手がけています。
派手な広告デザインではなく、地域に溶け込んだり、親しみや優しさを感じるデザインが印象的です。写真とタイポグラフィ、レイアウトのみで構成されたものが多く、それだけでもとても気持ちの良いデザインを作っています。
ソーシャルな領域でこんなにいいデザインができるんだなあと思わせてくれます。いや〜こうなりたい。
05_氏デザイン
前田豊さんが代表を務める東京にあるデザイン会社です。
サインデザインが素晴らしいのは勿論ですが、教材系のデザインはどれもらしさを保っているのに洗練されていて、どれもグラフィカルです。
VI系は割と特有のトーンがあって、直線を用いたシンプルなロゴが多いです。でも冷たい感じは無くて、他ジャンルのデザインと合わせて見てもカラフルでポップな印象なものが多いです。
シンプルだけど色使いや文字の扱い方で親しみのあるデザインができているんだなあと気づきました。
06_6D
木住野彰悟さんが代表を務めるデザイン事務所です。
小田急のドラえもんサインや久松湯のロゴデザインが印象的ですね。
全体的に特別分かりやすい特徴は無くて、でも社会においてきっちり機能しているデザインが多いです。普通だけど美しい。自分も「普通」とか「普遍」が好きなのですごくいいなって思います。
ちなみに氏デザイン代表の前田さんも木住野さんも廣村デザイン事務所出身。そう言われるとなんだか分かる気がしますね。ちなみに廣村正彰さんも好きなデザイナーの１人です。
07_窪田新
個人の方になるのですが、電通の窪田新さんです。JAGDA新人賞2021にも選ばれていましたね。
学生のときに書籍に掲載されていたジュニアオリンピックのポスターを見て気になって調べたのが知ったきっかけです。選出した中では珍しく主に広告系のお仕事をされている方です。
グラフィック面で言うと、直線や円を組み合わせて設計されたデザインが特徴的で、シンプルで幾何学なんだけど簡単には辿り着けない！っていう領域で魅力的です。
08_room-composite
カイシトモヤさんを中心としたアートディレクションとデザインの会社です。音楽関係や、アニメに関わるお仕事もされています。著書もいくつかあって、「たのしごとデザイン論」はおすすめですよ。
グラフィックに関しては、単純な図形の組み合わせで面白いコンポジションを作っているのが好きなポイントです。特に好きなのは日本のグラフィックデザイン2008–2010展のポスターです。
09_ collé
山口崇多さんが代表を務める東京都渋谷区のデザイン事務所です。
北欧のような色彩や表現と、タイポグラフィーが印象的です。欧文の文字組が素敵…！
掲載されているお仕事はシンプルで商業感がないものが多いです。インスタにも自主制作をアップされているのですが、海外っぽいデザインでめちゃ良いですよ。
手で描かれているものが多くて、イラストとグラフィックの中間のような表現が好きです。
10_AD FAHREN
大東浩司さんが設立した徳島にあるデザイン事務所です。自分が住んでいる香川と同じ、四国エリアにある会社ですね。
VIやパッケージ類がやはり素晴らしいです！
同じ四国でもこのレベルのデザインが出来るのならば、自分も言い訳できない、頑張ろうと思える会社です。背筋伸びます！！
番外編_good design company
言わずと知れた水野学さんが代表を務めるgdc。好きなんですけど、ブランディングをメインとしているので作っているモノと、そのバックグラウンドを切り離して見ることが難しいので一応番外編としました。グラフィックデザイン！って感じじゃないですしね。
水野さんの本も何冊も買いましたし、作品集も買いました。それぐらいには好きだし、影響を受けた会社だと思います。
THEの洗剤系愛用していました！
まとめ
選んでみた感想
この世にデザインいいなーと思う会社なんてごまんとある訳なのですが、好きな会社と言われると意外と分からないというか…。自分で言っておきながら10個も選べないかもって気持ちと、10個に絞れないって気持ちがありました。
久しぶりにMdNデザイナーズファイルをパラパラめくったりしましたが、結局選んだのは学生時代から好きだった会社が多いです。学生の頃って本当に好き嫌いでしか見てないので、初心に帰ってその頃の気持ちを思い出しながら選出しました。
自分の興味や趣味も少しずつ変化していっているのですが、感覚的にいいなと思うものはそこまで変わっていないかもしれません。
個人的に目指したいデザインの方向性
改めて好きを集めてみて自分として目指したいと思ったのは、特定のトーンや作家性を身に付けたり、業界的に尖った表現を目指すのではなく、あくまでもクライアントに寄り添ったデザインができること。
地方で色々な仕事をする場合、特定の作家性があるとそれが良くない方向に作用することもあるのだろうし、何より自分が自分のデザインに飽きそうな気がします。
でもやっぱり自分の好きなトーンとか美意識みたいなものはあると思うので、全く否定はせずに付き合っていきたいです。
あと自分がやりたい仕事もなんとなく見えてきますね。広告とかはあんまり興味なくて、VIとか、ブランドに関わる仕事がしたいんだろうな、とか。
終わりに
ということで俺的好きなデザイン会社10選グラフィック編でした。
純粋に好きで選んだものと、自分が目指したいという理由で選んだものがあるので、基準が若干ズレているかもしれません。でも好きなトーンはこれだけど、自分はデザイナーとしてこういう方向を目指したいよねというのが分かったのでそこは良かったと思います。
次回Web編！（多分ない）
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