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社長のやりたい方向性とセオリーがズレていた時、どちらを優先するべきか?

おはようごございます!眼から鱗という会社で経営者のメンタリングサービス『あとおし』を提供している長島です。今日は” 社長のやりたい方向性とセオリーがズレていた時、どちらを優先するべきか?”について書いてみます。

社長がやりたい事と一般的に考えた時のセオリー。どちらを優先するのかを迷うことがあるかもしれません。社長とお話をしている時にも、そうした相談を受けることはよくあります。

セオリー通りが正しいのか?

例えば、業績が好調に推移している社長から正社員雇用についてご相談を受けました。これまでは、売上に関して不確定要素が多く、積極的な採用を行なってきませんでした。増えていく業務量に対してはパート社員で対応し、人件費を変動費化することでリスクヘッジを行なっていました。

ところが、業績がある程度は安定して伸びていくことが見えてきた事で、正社員を本格的に増やしていく方向性で検討したいとの事でした。ただ、慎重な社長なので、必要最小限の採用を行い、また不足するタイミングで採用していくという方向性でどうか?というご相談でした。

採用するのは拡大する事業に対する戦力が不足しているからです。しかし、採用してすぐに戦力になるかと言われると、どうしても育成期間が必要です。つまり採用した社員が理想の戦力になるまでにはタイムラグがあります。それを考慮すると、予め必要になると予測される人数を計画的に採用する事がセオリーとなります。

社長  :リスクを考慮してギリギリの採用を検討したい
セオリー:育成期間を考慮し必要な人数を計画的に採用する

こうした悩みがある場合、真っ先に社長の考えている方向性で進めることをご提案します。セオリー的な案もお話はしますが、それでも社長の表情が晴れない場合は、迷わずに社長の考える方向性をお薦めしています。

ツキの原理=社長のやりたいこと

ツキの原理で考えますと、”社長がやりたいことをやる”というシンプルな法則を徹底すべきだと考えています。セオリーや論理的に考えて。。という事を優先したとしても、社長がリスクを感じて不安の中で推進していると、必ず不安が的中する様な事件を引き寄せてしまいます。成長している企業の社長は思いを実現する力が強いため、不安なことも実現させてしまいます。

そこで社長がやりたいことを前提にして、そこから検討できるあるべき姿を描き直す事を考えていきます。例えば、今回のケースで考えると、業容拡大において正社員雇用を考えたいが、リスクを考慮した採用に留めたい。ただ、最低限のキャパシティで採用すると、すぐに人員不足になる可能性が高いという課題があります。

社長の案を優先すると、今回はギリギリの正社員採用が前提となります。その中で拡大している業容に対する業務量に対応する必要があります。パート社員については、雇用継続の不安定さややはり正社員ではない人材にコア業務までは任せられないという思いがあり、正社員採用を検討しています。一時的にパート社員を増やすだけでは解決策になりません。

社長の考えを前提とした解決策

今回は、連携企業を増やすという方向性で進めることになりました。他社との違いは売れる商品を持っていること。その商品をきっかけとして、仕事のオファーが拡大し続けていることにあります。仕事が溢れるほどにある一方で、それに対応する人員が不足している状態です。他社は商品も無く、安定した仕事を作りきれないという課題を抱えています。それをマッチングしていく事で、固定費となる正社員とのバランスを取っていくことになりました。

社長としても、自分のイメージできるギリギリの採用を行い、かつ増えていく業務を戦力化している他社のリソースを活用するという事で、固定費を増やすリスクと業容拡大に対する業務対応リスクの両方を解決する方向性が見えてきました。

まとめ

社長がやりたいこと。社長が思っている方向性で事業は推進していく必要があります。それが制約条件となり、その枠組みの中で何ができるかを考えることが重要です。ロジックやセオリーは大切です。それを知っている事で、どこにリスクが内在しているかも見極めることができます。

しかし、最後は社長がやりたいかどうか。社長の思いを無視した施策は成功しません。社長がやりたい事を前提として、どうすれば課題をクリアできるかを考える。迷った時には社長のやりたいを優先する事で、その後の実践力は格段に上がります。

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