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初めて購入する顧客に対して【商品】が備えておくべき必要な”衝動”と”言い訳”とは

おはようごございます!眼から鱗という会社で経営者のメンタリングサービス『あとおし』を提供している長島です。今日は”初めて購入する顧客に対して【商品】が備えておくべき必要な”衝動”と”言い訳”とは”について書いてみます。

人は衝動で欲しいと感じ、理屈で言い訳を組み立てていきます。多くの経営者とお付き合いする中で、商品・サービスについてご相談を受けることもたくさんあります。その中で、これは売れそうだなと感じるものと、今ひとつだなと感じるものの違いは、この2つのポイントが押さえられているかどうかにあると考えています。

衝動とは、外からの強い刺激を受けて心が動かされること、とあります。つまり、顧客の心が動かされる何かがあるかどうかが、非常に大きなポイントになります。特に初めて購入するタイミングにおいては、この衝動は欠かすことができない要素になります。(初期購入からリピート購入に至るまでの心の動きは別のロジックがあります。今回は初期購入に絞って整理してみます)

衝動買いの事例から考える

先日岡山にあるSAでマボロシのバナナと遭遇しました。ポップに幻のバナナと書かれていたので興味を持ち、店員さんに理由を聞いてみました。

【皮まで食べられるバナナです】

この一言は衝撃でした。価格は1本750円という超高価格帯でしたが、妻の実家が農家なのもあり、味見も兼ねて試しに1本購入しました。

さて、ここまでの一連の流れはまさに衝動と言い訳で構成されていると分かったでしょうか?”皮ごと食べられるバナナ”という出会ったことが無いキーワードで強い刺激を受け、この時点で買おうと決めていました。

しかし、1本750円という価格に対して言い訳が必要です。そこで、妻の実家が農家であること。そのためにの味見として購入する理由があることが、理屈として整理されました。

レジで皮は美味しいのか?と聞くと、身ほど美味しくはないと言われました。ただ、皮と一緒に食べるように皮を薄くする。無農薬栽培で安心・安全を徹底するなどで実現しているとストーリーもありました。(実際に皮と一緒に食べましたが、皮が身の甘さを中和してしまい、一緒に食べる意味合いを感じられませんでした。もしかしたら、皮も食べらる幻のバナナとした方が良いかもとは考えました)

衝動と論理を構成する4つの要素

このように人は、右脳で欲しいと感じ、左脳が後追いで購買理由を構成していきます。今回のバナナのケースでは

 ・気になるメッセージで意識が向く=認知
 ・強烈なインパクトで興味が湧き、欲しくなる=衝動
 ・購入する理由を頭で構成する=言い訳
 ・購入を後押しするストーリーを確認する=後押し

この流れで、購入にまで至っています。基本は衝動と言い訳ですが、そのメッセージに出会うきっかけをどう作るのか?そして購入を後押しできるストーリーが用意されているかの2つも重要です。

バナナはSAの導線上の一番目立つ所にコーナー展開されていました。手書きポップで興味を惹き、立ち止まらせる効果を十分に発揮していました。注意を引くという作戦は成功していました。

次に購入を後押しするストーリーです。自分の中で言い訳は作りますが、その商品自体からも言い訳の提供が無ければ購入理由の論理構成は弱くなります。食べられる様に薄皮にする技術開発。皮を食べることができる程の安全な農法という2つのストーリーが購入の後押しをしています。

まとめ

新しい商品・サービスを検討する際、まずは衝動的に心を動かすことができるかどうかを判断しましょう。それは突飛なことばかりではありません。衝動とは、言い換えると驚きです。人が驚くのは、想像とは異なる何かに出会う瞬間です。「そんなことがあったのか(できるのか)」という感覚になることで、欲しいという感情が生まれます。

顧客満足度1位やシェア1位のような広告メッセージがありますが、それはあくまでも購入する理由を論理的に補完するためのものです。それよりも、まずは衝動を呼び起こすこと。刺激を与えて心を動かすことができるかどうかを考えることが大切です。

商品・サービスをどの様に伝えていくのか。どの角度から光を当てれば、衝動を呼び起こすことができるのか。単に驚くだけではなく、心を動かすことができるのか。そういった視点で商品・サービスを今一度確認をしてみてください。

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