古代の薩摩940年 #10

陶工公劉の技術論
団長に同行して長い旅を続けてきたが、ようやく帰路に就いた。北へ北へと歩いた旅も今、南へ南へと急いでいる。
つい先日新しい発見があった。筑紫(つくし)という村でのこと。他の村で作っている縄文土器ではない全く新しい方法で土器がつくられていた。「ろくろ」という円盤状の器具の上に粘土をのせ、その「ろくろ」を回転させながら両手で形を作っていくというかなり技術を要する方法だが、完成したものは従来の物より、軽く、縁も薄く使い勝手がきわめてよい。
縄文土器は見た目が美しく煮炊きに使うよりは飾ってながめていたい物も多いが、新しい土器は形もすっきりしていて機能的である。ただし上手に作れるようになるまでには時間をかけて技術を磨く必要はある。私はこれを弥生土器と名付けることにした。

この物語は、薩摩の古代の歴史をドキュメンタリー風にしてみました。
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いつか映像にしてくださる方がいると嬉しいです。 吉峯盾

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