古代の薩摩940年 #7

第一部 不老不死の妙薬 おばばのうれし顔
今日は天気がいい。子ども達に土器の作り方をせがまれた。
広場に20人ほど集まった。中には秦人もいるようだ。土器を作る粘土は近くの市来の村にたくさんある。地面にござを敷き、水を準備させた。子ども達を座らせ、それぞれ膝の前に板を置いて、そのうえで粘土をこねる作業から始めさせた。
最初だから自分用のお椀を作らせることにした。まず底になる部分だ。皆うまくできたようなので、これからが本番だが、ヒモの形にした粘土をちぎり、お椀の縁になるように一本一本丸く積み上げていく。時々手に水をつけさせ、滑らかになるように竹べらで表面を平らにする。4本くらいのひもでお椀の形が出来上がった。上手にできた子もいるが、たいがいは不格好(ぶかっこう)である。縁も厚い。これで汁が飲めるか?いやあ、きっとおいしいよ。後は一日天日干しにして水分を飛ばす。明日火を焚いて、薪(まき)と薪の間にきれいに並べてしばらく燃やし続ければ完成だ。外側に模様を入れるともっと可愛くできるが、それは次回のお楽しみ。
みんなにこにこうれしそう。おばばも思わず顔クチャクチャ。

この物語は、薩摩の古代の歴史をドキュメンタリー風にしてみました。
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いつか映像にしてくださる方がいると嬉しいです。 吉峯盾

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