『マンションバブル 41の落とし穴』
「マスコミは『マンションバブル』などと騒ぎ立てますが、昨今の不動産市場は実はバブルでも何でもなく、従って崩壊も起きません。」「1990年のバブル期、日本の土地資産額は2000兆円を超えていましたが、現在では1000兆円程度と半減。日本の不動産市場はこの30数年で順調に、一貫して縮小し続けているのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1967年東京都生まれ、不動産コンサルタント、さくら事務所会長、NPO法人日本ホームインベスターズ協会初代理事長の長嶋修さんが書いた、こちらの書籍です。
長嶋修『マンションバブル 41の落とし穴』(小学館新書)
この本は、著者が1999年に創業した個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所」が25年間行ってきた第三者的立ち位置からの不動産売買に関するアドバイス、ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングにおいてストックされた知見と膨大な事例の中から、マンションに関して誤った認識に陥りやすい41の「落とし穴」を集めた書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.今、絶対に知っておきたいマンション選びのポイント
2.理想のマンションと出会うための必勝プロセス
3.無知と無関心がタワマンを廃墟に変える
4.マンションの資産性を高めるために
この本の冒頭で著者は、「さまざまな情報に左右されず、正しい判断を行うため、効率良く学べるように編集されているお得版です。」と述べています。
本書の前半では、「今、絶対に知っておきたいマンション選びのポイント」について以下のポイントを説明しています。
◆「職住近接」で都心・駅近のマンションへのニーズが急増
◆ 日本不動産市場は三極化:➀価格維持・上昇、なだらかに価格下落、③限りなく無価値
◆ マンションのステルス値上げに注意
◆ 不動産価格が下がるタイミングを予測するのは困難
◆ マンション管理で資産価値が決まる
この本の中盤では、「理想のマンションと出会うための必勝プロセス」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ マンションを見極める4点:➀立地、②建物仕様、③管理状況、④相場妥当性
◆ 新築や築浅の方が暗線・安全とは限らない
◆ 多くのマンションで問題になっている修繕積立金の不足
◆ 内見でチェックしたい雨漏りや給排水管からの水漏れ
◆ エアコン設置、電気契約アンペア、コンセント、ベランダの上裏をチェック
本書の後半では、「無知と無関心がタワマンを廃墟に変える」および「マンションの資産性を高めるために」ついて説明しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 管理委託費の値上がりトレンド
◆ 管理組合が業者を選定してコストをチェック
◆ 外壁タイルの不具合は見つけたらすぐに対応が鉄則
◆ 大規模修繕工事は、16~18年周期がトレンドに
◆ 長期修繕計画には致命的なミスがある可能性もある
◆ 管理力を対外的にアピールできているマンションは資産性が高まりやすい
◆ マンション管理力の4ポイント:➀組合運営力、②メンテナンス&資金力、③コミュニティ&住み心地力、④防災力
◆ 防災に対する取り組みは、マンション選びのポイント
◆ リノベーションが難しい物件もある
この本の締めくくりとして著者は、「本来、自分の人生の主役は自分自身であり、家はそのサポート役に過ぎません。しかし、選ぶときに失敗してしまうと、サポート役であるはずの家に振り回され、理想とかけ離れた生活を送ることを余儀なくされてしまいます。」と述べています。
あなたも本書を読んで、資産価値が上がる「選ばれるマンション」と資産価値を落とす「選ばれないマンション」の違いを学び、自らの家の選択に活かしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3407冊目】
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