見出し画像

PoppaとNannyと~ウェリントンに通って20年~(2)

ホームステイでおじいさんとおばあさんの家にお世話になったのだが、子供は全部で6人の大家族であり、家はその子供たちみんなが育った家である。

6人と言ったが末っ子が双子であったそうだ。そうだ、というのはこの片方の人には、会っていない。クリスマスに私は毎年行っているのだけれど、なぜ来ないかは分からない。

おじいさんはオークランドより少し南、ワイカト地方の中心、ハミルトンという町の生まれ。ウェリントンでタクシードライバーをしていた時、おばあさんがお客だったそうだ。おじいさんはなくなる少し前まで車に乗っていた。自分も随分送り迎えしてもらった。

おばあさんは、今でいう派遣看護師で、刑務所の仕事の送り迎えでよく、おじいさんのタクシーに乗っていたそうだ。おばあさんはアイルランドからの移民で、「兄がアメリカ行ったから私はニュージーランド」だったそうで、深い理由は聞いていない。しかしそこで金婚式まで一緒なのだから、故郷に帰らずとも十分すぎるほど、幸せだったのだろう。

実はおじいさんは、いわゆるバツイチだったが、一切その辺のことは言ったことはなかった。そしておばあさんを愛し続けた。日ごろ接して知りえたのはこれくらい。二人が亡くなった後、子供たち、主に長女のサーシャさんからいろいろ話をうかがったが、彼女はさらに自分の父親、母親について知ろうとしていた。ルーツ探しである。その過程で、さらにどういう人物が分かっていく。それはまたいつか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?