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PoppaとNannyと~ウェリントンに通って20年~(10)

 写真はウェリントンの北西となり、ポリルアのNorth City Shopping Centreで靴を買ったときの箱です。取っ手がついて袋いらず。靴は中国製ですが、デザインはニュージーランドのメーカーです。

 この年末に、ウェリントンに行き、長女のサーシャさんの家に泊めてもらい、少しですが夏を過ごしてきました。久しぶりにおじいさん、おばあさんのお墓参りをしました。「お墓きれいにしに行くけど、来る?」というのでついていったのです。
 お墓は、芝生で覆われているので、陰気臭いところはなく、むしろ華やかです。風と強い紫外線のためか、花を供えるのではなく、明るい色の造花がここでは多いせいだと思うのです。この墓地もちょっと「混雑」してきて、墓が前より増えた気がしたら、「同じ列に知っている人がいる」とのこと。日本と違い土葬が基本だからスペースが必要なのに、ちょっと窮屈そう。
 そのあとは久しぶりにポリルアのショッピングセンターへ。ポリルア市は観光地ではないのですが、North CityとさらにMega Centreを中心に大きな商業エリアとなっています。買い物には不便しないどころか、広くて大変です。ちなみに前に紹介したチョコレートの工場もこの市にあります。
 家に戻り、6時ごろ夕食。いつもTV ONEのニュースを見ながら食べるのだが、すぐ異変に気付きました。以前、キャスターはあいさつにKia Ora. Good evening.とマオリ語の挨拶を先にして、英語の挨拶になるのだけど、このマリ語の部分が少し長めになっていた。また、天気のコーナーでは、担当のキャスターが、各地の天気予報を、なめらかなマオリ語をはさみながら伝えていました。
 元首相のアーダーン氏は、厳しいコロナ対策で日本でも有名になりました。その労働党政権(選挙時はヒプキンス首相)では、マオリの人の健康増進のための機関を作ろうとしたので、ニュースの挨拶の変化もその流れで行われるようになったのでしょう。でも、なんか違和感が。先住民の尊重は自分も心得ているけど。
 ニュージーランドの人々は、それまでも先住民の人たちを尊重していないわけではなく、だからKia Oraの挨拶が先だった。(ちなみに末弟のアーニーの再婚相手もマオリの子孫です。)「そこまでしなくても」という空気があったかもしれない。労働党は選挙に負け、国民党が勝利しました。
 労働党はこのほかに、たばこを段階的に禁止する法律も作っています。しかし、たばこをたしなむ人は、街を歩いていみると少なくない。おばあさんもスモーカーでした。それまでのコロナ対策と合わせ、何らかの「窮屈な感じ」をニュージーランドの人は嫌ったのかな、と思いました。ちなみに、たばこ禁止はなくなる方向になり、代わりに未成年の喫煙には厳しく対処する方向みたいです。また、先住民政策については見直すようですが、どうなるのだろう。
 コロナ禍からの巻き戻し、そんな空気を今回感じました。ただし、新政権に対して、反発する人々も多く、デモも起こったりします。ウェリントンは首都なのでデモもありがちなのですけど、大きな町ではないので、しばらくは少し落ち着かない感じになるかもしれません。

 

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