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クイックルワイパー立体吸着ウェットシートを買った話で1300字書きたい事がある

春休みのやっかいな所は、宿題が出ないこと。
子どもたちは有り余る時間の多くをYouTubeのお世話になる。
我が家も共働き。5軒先に祖父母の家はあるものの、Wi-Fi環境の整った我が家でダラダラとお気に入りの「犬と猿がでてるやつ」や「韓国アイドルのやつ」を観ているのだろうと推測する。

それではいかんと、本人たちも自覚しているらしい。
読書は進んでするようになった。
私としては「エルマーの冒険」だとか「こまったさんの〇〇」だとかを読んでほしいと思うのだが、そんなものには興味は無い。
好きなTikTokerがお勧めしていたらしい汐見夏衛さんという方の本を読む長女。次女は学園ラブコメ的な漫画みたいな小説を読み始め、2人ともスイスイと2冊3冊と読み進めるようになった。
親が勧める本を読ませようとしている内は読書の習慣なんて付かないのだなと、気付いた。

読書と共に春休みの間に習慣になったのが、お手伝い。我が家は割とお手伝いはしてくれる小学生だなと親バカながらに感じている。
食事を作ったり、掃除機を掛けたりと、割と難しい家事を楽しそうにこなす。簡単な片付けなどには全く手をつけず、ちょっとムズイくらいの家事の方がやってみたい!という気持ちになるようだ。
私は朝、仕事に出る前に朝ごはんの横にメモを置く。
今日は洗濯物をたたんでおいてね
今日は掃除機をかけてね
今日は食器を洗ってほしいです
5分ほどで終わるであろう家事だが、これを親が留守の間に子どもがしてくれていると本当に助かる。

ある晩、私はクイックルワイパー立体吸着ウェットシートを薬局で買い、帰宅。長女にババーンと見せた。
私「これ、明日の」

明日のお手伝いの課題だよ
クイックルワイパーかけて欲しいの
ほらほら、嫌そうな顔しないでさ

と、なるはずだった。
実際は。

私「これ、明日の」
娘「あぁ、ありがとう」

おいおい、お菓子の袋か何かと見間違えてるんちゃうん?こちとらクイックルワイパー立体吸着ウェットシートやで!

私「エ、エ?アリガトウ?」
娘「濡れてる方、切らしてたもんな」

ドライシートはまだ在庫あるけど、ウェットシートは切らしてたん知ってたん???

娘は後退りする私に気付かずに自分のスマホでInstagramを眺めている。
家の掃除は家族の誰がやってもいい訳で、家を掃除するためのクイックルワイパー立体吸着ウェットシートを買うという行為も、母親だけが請け負っていいはずないのである。誰がやってもいいことは、誰がやっても「ありがとう」の対象なのだ。

私は自分の頭の硬さを恥じたし、娘の価値観が眩しいと思った。私よりうんと新しくて、視野が広くて、自由な価値観がキラキラと眩しかった。

あぁ、ありがとう。
濡れてる方、切らしてたもんな。


一生忘れない。どんな川柳よりも私の脳裏に焼きついた娘の言葉。羨ましいとすら。

娘の事を褒めると「自慢ですか?」という反応が10000人に1人くらいの割合で返ってきます。(私調べ)
娘は私とは全く別人格ですし、娘は私の創作物ではありませんので、自慢のつもりはありません。
いつも私の1番近くで私に学びをくれる存在です。

クイックルワイパー立体吸着ウェットシートを買ってきただけなのに、新しい価値観に気付かされた私は今、とても爽やかでスッキリした気分になっている。
我が家の床のように。

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