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簡単レシピ!24時間一緒に過ごす自営業夫婦の作り方

自営業の家族4人分
調理時間:約15年
一般的な調理法とは異なる場合も多々ありますがご了承ください。

下ごしらえ
ー無くてもいいがしておくと良いー

■まずはじめに用意するもの■
•夫
•妻

出会いは一般企業。新入社員として入社してきた(後の)妻と、サラリーマン9年目を迎える(後の)夫が社内恋愛をする。
きっかけは横山光輝「三国志」全60巻の貸し借りから。(非常にマニアックな手法ではあるが、60巻もあるとラリーが長く続くため、より長期的なコミュニケーションが見込める。)
下ごしらえの段階で、同じ職場で働くことにより自営業をした際に「職場でのパートナー」を事前に認知できる。昼間の職場での態度と、家の中の態度では誰しも相違があるものだ。
また、関西では一般的に女性の方が家庭内で強い立場を保持する傾向にあるが、上司部下の関係が下ごしらえに入る事により、結果的に均衡が保たれる一因になる。

切って炒める
ーまずは材料を切り火を入れるー

■主な材料■
・貯金
・体力

サラリーマン時代の貯蓄といくつかの補助制度を利用し、程よい田舎町に居抜き物件にてカフェをオープンする。どのような補助制度があるかは、各自治体に要確認。
夫婦どちらかの実家に近い場所で開業する事により、子どもが生まれた時のサポートが期待できる。妻の実家近くが理想とされるが、夫の実家近くでも可。
美味しい料理と、心のこもった接客、居心地の良い空間を常に提供する。寝る間も惜しんで働く根性と体力を余す所なく使用する。
ポイントはどちらかだけが頑張り過ぎると続かない。「なぜ自分はこんなに頑張ってるのに…」と不公平感を感じてしまう。もしも不公平感を感じてしまった場合には、相手に内緒で、自分だけハーゲンダッツを食べるなどして火加減を調整すると良い。

煮込む
ーじっくり時間をかけてー


■調味料■
・子どもたち

絶対にやってくる「ケンカ」「揉め事」「意見の相違」。これらを煮込んでトロトロに溶かしてしまうのが子どもたちの存在。
店でどんなに揉めていようと、家に帰るとパパとママ。ささくれ立った気持ちを愛らしい笑顔が癒してくれる。
子は鎹。
子育てには時間もお金も掛かるため、敬遠する自営業者は多いが、長い目で見るとそれらのデメリットを凌駕する幸福をもたらしてくれる事は証して余りある。もしも子どもを望める環境にいる場合は強くお勧めしたい。
ただし、望む全ての夫婦に子どもが出来る訳ではない。そのため、殊更、子どもが出来る環境にいる夫婦にはその幸福を躊躇わずに享受して欲しい気持ちがある。

仕上げ
ー盛り付けー

■あった方が良いもの■
・センス
・諦め

夫婦で経営する場合、どちらかが鈍化するとどちらかがお尻を叩き、どちらかが突拍子も無い暴走をするとどちらかが手綱を引く。経営者になると、怒ってくれる上司がいなくなるため、夫婦で互いにお尻を叩いて手綱を引く事ができるのは、大変な強みとなる。ただしこれにはセンスが必要とされる。料理のセンス、経営のセンスが無いと立ち所に終わる。
またそれとは真逆に、諦めることは非常に有効である。相手に過度な期待をしない。
例え洗濯物の畳み方がイマイチであっても決して直してはいけない。斜めに畳まれたからといって死にはしない。
例え答えの出ない言い争いになったとしても、答えの出ないまま先に進むことが出来る場合は往々にしてあるのだ。(この「答えの出ない言い争い」は本当に度々起こる。そして答えが出ていないにも関わらず、気がついたらもう論点はすっかり忘却の彼方にあり、ただの「言い争い」の部分だけが残ってしまっている。)
ケセラセラ或いはハクナマタタ又はなんくるないさーの精神を私は、尊敬の念を込めて諦めと呼んでいる。

いただきますとごちそうさま


24時間365日、仕事も家もずっと一緒。仕事のミスも家庭の心配事も、働く喜びも家族の愛も、ごちゃ混ぜにミックスした多国籍な"ごった煮料理"。それが私たち自営業夫婦。
どれだけ努力しても、別れる夫婦もいる。どれだけ工夫しても、お店を閉める夫婦もいる。
残念ながら、我が家のレシピは我が家以外に再現の仕様が無く、意味をなさない。

それぞれの夫婦に正解があり、レシピは夫婦の数だけある。出来上がった"ごった煮料理"がどんな味になっていようと「いただきます」と手を合わせ、なんだかんだ言いながら完食して、「ごちそうさま」と言える食卓がそこにあればいい。
恥ずかしい事を言うと、目指す夢が同じなら、青臭くても美味しい料理になっている筈だ。

★コツ•ポイント

相手の尊敬できるところを、常に自分の目の届くようにしておくと良い。「ご飯の食べっぷりがいい」とか「笑顔が可愛い」とかであれば、それがケンカしていても見られるような環境を整えておく。
パートナーの悪口を他人に言わないのもコツである。言葉は言霊。口に出して言うとスッキリする反面、自分の中で反芻されて悪い部分が意識にこびり付いて洗い流せなくなる場合がある。ほどほどにしておくのが良いでしょう。

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