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LDL 値と動脈硬化疾患リスクは相関する

おはようございます。

悪玉といわれる LDL の値が高いと動脈硬化疾患が多くなることをご存知でしょうか。上の図は LDL 値と冠動脈疾患 (狭心症, 心筋梗塞) リスクおよび脳梗塞リスクを示したものです。LDL 値が高い人は冠動脈疾患リスクが2倍になっていることがわかります。LDL はコレステロールを組織に運ぶ役割を果たしていると言われています。この LDL が多いとコレステロールが血管壁に蓄積し、動脈硬化が進行して冠動脈疾患を発症するという理屈です。

では脳梗塞はどうでしょうか。冒頭の図を見ていただくと、脳梗塞リスクも高いようではありますが、冠動脈疾患ほどではありません。これはなぜかというと、脳梗塞のおよそ半分は動脈硬化が原因で生じますが、残り半分は動脈硬化以外の要素が強いため、冠動脈疾患ほど強く関係しないのです。そこで、脳梗塞の原因別に LDL 値との関係を見たのが次の図になります。

脳梗塞の三大病型と LDL 値の関係

脳梗塞の中でも、動脈硬化が強く関係するのはアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞です。冠動脈疾患と同じように、LDL 値が高い人はアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞のリスクが2倍になっていることがわかります。一方で、心原性脳塞栓症のリスクは半分になっていることもわかります。実は、この心原性脳塞栓症のリスクが減ることに関しては理由がよくわかっていません。一説には、心原性脳塞栓症の原因となる心房細動という不整脈がLDL低値だと増えるため、ともされています。ただ、この辺りはまだはっきりとは分かっていないように思います。

まとめますと、LDL 値は動脈硬化が関連する冠動脈疾患、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞といった病気のリスクと相関します。心原性脳塞栓症のリスクとは逆相関しますが、その原因はよくわかっていません。

いかがでしたでしょうか。LDL をどう考えたら良いのか悩ましいところはありますが、少なくとも LDL が高い人は動脈硬化の進行に注意した生活を送るよう心がけることは重要だと思います。

それでは、今日も1日大切に過ごしていきましょう。

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