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“デブは甘え”という呪い

突然ですが、あなたは嫌いな言葉ってありますか?僕はね、デブという言葉が苦手です。

ダイエット指導者という立場上もちろんお客さんに言うことはありえないし、日常的に使うこともないです。というかほんとは文字にするのも抵抗があるんだけど、少し伝えたいことがあるので今日は使用させてもらいます。
不快な気持ちになった方がいたら、すみません。先に謝っておきます。

その言葉が持つパワーの強さ

なぜ僕が「デブ」という言葉が嫌いかというと(もちろん良い言葉ではないからという理由もあるんですが)

なんというかたった2文字なのにパワーが強すぎるんですよね。それでいうと「ブス」っていう言葉も同じくなんだけど。

とはいえ日頃から日常的に軽い気持ちで使われている言葉のため、言われたことがある方も多いと思います。僕自身も元肥満だったため友達なんかからいじりとして言われたこともありますが、今でも記憶に残っています。

そしてこれは僕個人の体感ですが、「キモ」「ウザ」みたいな悪口に比べても心なしか重い気がする。言われた直後もショックなんだけど、さらにボディブローのように後からもじわじわ効いてくる感じ。下手したら5年、10年と呪いのようにつきまといますからね。

「デブ」は自己管理ができないという偏見


僕はデブという言葉自体も好きではないのですが、それよりもデブ=自己管理ができない、自分に甘い奴 という考え方が蔓延していることに違和感を感じています

太る原因というのは一般的にカラダに良くないようなラーメンやケーキ、お菓子などを食べすぎてしまったことが挙げられるため、
確かに太っている=「誘惑に打ち勝つことができない」「だらしない」「意志が弱い」といったイメージが結びつくのも理解できる。

ただ、もし太る原因がその人の性格や意思の強さとは関係のない、もっと別のところにあったとしたら、どうでしょうか。

そして実際、肥満になる原因というのは体質や家庭環境、病気など自分でコントロールできない周囲の影響が大きいので、必ずしも本人の責任とは限りません

母親が太っているとペットまで太る


「母親が太っているとペットまで太る」という言葉があるのですが、これは通常の家庭では料理を作る母親の趣味嗜好に合わせて料理が出されるため、母親が太っている家庭では子供たちだけでなくペットまで太ってしまうということを表しています。

よく考えてみると、大人になって太っている方というのは幼少期から太っているケースが多いのです。そして子供が太ってしまうのは、本人の責任というよりも両親など食事を与える側の責任になりますよね。

その家庭で育った子供はその食事(食べるもの、量)が当たり前になってしまいます。成長期を通して何年間も当たり前のように繰り返していた食事を、大人になってから改めるというのは相当難しくて痩せられないのです。

さらにいってしまうと、太りやすい高カロリーの食べ物というのは依存性が高い。食べると脳内で快楽物質が分泌されるため、空腹云々には関係なくその快楽を求めて食べすぎてしまうのです。

こうした状況を理解した上で「デブは甘え」なんて言葉が言えるでしょうか。ここまで来ると脳の関係になってくるので本人の意思は関係ありません。つまり、自分に甘い・弱いなんてことはないのです。

逆に考えてみると、痩せている人はたまたま周りの影響が良かっただけで、環境が違えば太っていた可能性も十分あり得えますよね。

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また、中には努力して痩せることができた方もいると思います。それは素晴らしいことですし、もしかしたら周りの太っている人を見て「あいつは甘いな」と感じるかもしれません。

しかしこれも依存度の程度であったり環境の良し悪しが関係しているということを知ってほしい。自分にできたからといって他人が同じことをできるとも限りません。人それぞれ事情がありますからね。あなたが努力できる素晴らしい人=他人がだらしないダメな奴 とはならないのです。
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他にも病気になってしまって副作用の関係で太ってしまう場合もあります。それでもデブは甘えという認識が浸透している日本では、ダメな奴という烙印を押されてしまうのはあまりにも悲しい。

あなたですらも気付いてない


「デブは甘え」というのは残念ながら現状ほぼ全員に共通して(誤)認識されています。そのため太っている本人でさえ、そう思っているケースが多いのです。

もし今これを読んでいるあなたが太っていて、何度ダイエットを試しても痩せられなかったり食べるのを辞められなかったりで「わたしは意思の弱いダメなやつ」「わたしには価値がない」と思い込んでしまっているのであれば、
ひとまずそんなことはないですよ、と伝えたい。

デブは甘えは言い訳にも使えてしまう

こういう内容を見ると中には「そうかもしれないけどわたしはただのだらしなくて自分に甘いデブだから違うわ」と思う人もいるかもしれません。

確かに少なからず性格も関係しているかもしれませんが、デブは甘えというのは一種の言い訳にも使えてしまいます。

どういうことかというと「私が太っているのは自分に甘いから・意思が弱いから」と痩せられない原因を決めつけることによって現実逃避をしてしまうのです。

長くなってしまうのでここでは書きませんが、痩せるのに意志力ややる気、モチベーションといった類のものは必要ありません。

「前回ダイエットに失敗したのは気合いが足りなかったから、次は本気でいこう」のようなダイエットを繰り返している人は、方法を見直すのも大切です。

その一言が他人の一生を左右することもあるんだよ


なぜ今回このような記事を書いたかというと、
僕は今までたくさんのお客さんを担当してきたのですが中には無理なダイエットから摂食障害になってしまった方も多く見てきたからです。

そして彼ら彼女たちに共通しているのが過去に「デブ」と言われてきて、傷を負っていたりなおかつ本人自身も「自分が太っているのは意思が弱いからだ、なんて自分はダメな奴なんだ」と思い込んでしまっていたりするという点。

言った本人は特に他意はなかったり、冗談の気持ちだったり、すぐ忘れてしまったりするんだけど、言われた側というのはその言葉が何年も何十年も呪いのようにつきまといます。

もし軽い気持ちで他人に「デブ」と言ってしまっていたり、「デブ=自分に甘い奴」という認識を持っていたりするのであれば、少しでも考えを見直すきっかけになってくれると嬉しいです。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。僕の考えが少しでも伝わったら嬉しいです。もちろん共感してもしなくても大丈夫。感想なんかもtwitterでシェアして頂けたら見に行きます。

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