マシンガントークな人

　人との距離感って難しい。特に初めて会った人。その人と今後も関係が続く場合はあまり気にならないのだが、この人ともう会うことはないんやろうなと思うといつも以上に話が進まない。だって、もう会う可能性がない人と何のために喋るのかよく分からない。変な空気になるのを嫌がって、何か話題を探そうとするけど、そんな自分が辛い。それだけではなく、そんな時間を相手に共有させてしまうことが悲しくなる。
　正直なところ、僕は人とのコミュニケーションがかなり苦手な方だ。傍から見ると、そんなことないよと言われる方が多いけど、それはそう言ってくれる人たちとある種の関係性がすでに構築されているからだと常々思っている。みんな、そんな感じで当然ながら、僕の内面までを見透かすことはできない。こんな話のことを昔から僕は、「共通のバックボーン論」と名付けて呼んでいる。
　要するにすでに何かしらの共通した関係性(例：ゼミ、職場、同級生など)を持っていることが重要で、それがあるからこそ、ある程度時間が経ったり、場所が離れたとしても、大きな問題はない。むしろ、そんな関係性を「緩やかに紡ぎ続ける」ことは大切にしていることのひとつなのでめっちゃ考えている。
　だがしかし、いちから関係性を構築するというよりも、最初の接触がしんどい時が多い。振り返って、いつもどんな形で人と関係性を紡ぎ始めているのかよく分からない。無意識的な反応なんだと思う。
　という文脈で、あまり関係性が深まっていない中で、「マシンガントークな人」と同じ場を共有するのは比較的楽だ。勝手に話を展開してくれる。そんな場が嫌いではなく、適宜、相槌は打っているので、さらにどんどこ話を進めてくれる。うんうん聞いている絵はうまいらしいので、悪く見えないのだが、話はあまり覚えていない。聞いてはいるのだが覚えていないことが多く、まさに「右から左」状態なんだと思う。「マシンガントークな人」、ごめんなさい、と思ったのでこんな感じで謝っておく。。もう少し、話上手になれれば、見える世界も変わってくるだろうに。